アンジェロ トレッビアーノ | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

アンジェロ トレッビアーノ



1991年にイタリア人(M.Martini)、イギリス人(G.Gabb)、ドイツ人(M.Mack)の3人の醸造家が集結して立ち上げ、それぞれの名前の頭文字を冠したMGM-Monde del vino社。
ピエモンテに拠点を置きながらも、イタリア各地でブドウ品種の特性を生かした新しいワインを意欲的に送り出し、各方面から栄誉ある評価を獲得しています。


さて、このアンジェロはコルシカ島など南フランスやイタリアで使用される白葡萄トレッビアーノを100%使った、アブルッツォオで作られたワイン。


因みにアブルッツォはアドリア海側にある産地。アペニン山脈をはさんで、ティレニア海側とアドリア海側では、出来るワインのタイプが全く異なります。

ティレニア海側は酸が残る果実味が豊かでありながらもエレガントさのあるワインが、アドリア海側ではティレニア海からの冷たい風が、アペニン山脈によって遮られる為、日照量が豊富な為、果実味が豊富でアルコール度数の高い、でっぷりとした感じのワインが一般的には作られています。


さて、定説ではヴォリューム感のあるわいんですが、このワインはいかに・・・。


このワインは伊勢丹のワインフェア、イタリア白ワイン10本セットで購入したもの。

1本あたり¥1,000チョットの超カジュアルワインですが、このワイン評を書くにあたって、テクニカルデータを見ようと、検索したところ、ネット価格で¥500台でした。


セット売りではなければ、絶対に買わなかっただろうなぁ。価格的に怖いし・・・。

結論を言えば、千円台なら妥当。¥500台ならコスパはかなり良いです。


自由が丘ガーデンとかクイーンズ伊勢丹など、ちょっと良い食材を扱っていますよ的なスーパーで¥1,500前後でリリースさせます、私なら。

では、この価格はどこから割り出したか・・・・。


まず、アブルッツォと言う土地柄、葡萄はどんどん糖度ばかり乗ってしまう。

そこで、ステンレスタンクで発酵熟成し、キャップシールでフレッシュ感を保たせリリースする事で、フレッシュ&フルーティーを保つ。

この時点で、がぶ飲み専用のカジュアルワインである事が判明すると思います。


しかも、嫌気的な条件で醸造、リリースする事で香りがクローズしています。


香りは、レモン、グレープフルーツのコンフィ。と言うより、果実の印象が少なめ。

日照条件が良く糖度が乗っているだけに、甘い香りが果実の香りより前面に出てくる感じです。

ミネラルの香り、若干ハーブ。

普通、トレッビアーノは熟れた果実の香りがあって、豊満でありながら、要所要所が絞まった、体型で表すとボン・キュッ・ボンと言う様な、魚介類や白身のお肉のフライでも嬉しい体型であるはずなのに、ノッペリとした印象です。


味わいは、アタックはスマート。舌の両端からググッと酸が迫ってきて、塩味のある酸が印象的であり、最後まで引っ張りながら、アフターに苦味が舌の真ん中にこじんまりと乗っかる感じです。

味わいは悪くは無いです。




ステンレスタンクを使って、低温発酵させたなぁと言うワイン。酸の種類は酒石酸が主体といった感じ。因みに、酸に塩味が感じられたら酒石酸です。


提供温度は8度から10度位。キンキンに冷やして、ボンゴレやサラダ。あさりの酒蒸し、カルパッチョなど淡白な料理と合わせると良いでしょう。

アペリティフとして、夏に沢で釣りをしながら、淡水魚の塩焼きと一緒に飲むには楽しい思い出になるワインだと思います。


トレッビアーノは個人的に好きな品種ですが、このトレッビアーノは好きじゃない。


例えて言うなら、トレッビアーノって女性が好きそうな甘いマスクをしながら、実は男気がある・・・山Pみたいな、イケメンで筋肉質で、男気があるタイプ。

Pの性格は知らないけど、ちょっとラテン系。それがトレッビアーノ。


だが、コイツは・・・温室育ちで、ナヨッとしていて、ビジュアル的にはスマートだけど、へなちょこ。絶対、私を守ってくれないよね!!と言うタイプ。

※この数行の表現は、一緒に飲んでいないと分かりにくい表現ですが、

ワインって、男性なら女性に当てはめたり、女性なら男性に当てはめると、意外と通じやすいんですよ。


カジュアルワインとしては決して悪くはないけれど、葡萄品種の個性を楽しみたいなら、私なら買わない。


早い話、ワインは何を飲んでも一緒と言う人向き。



例え¥500台でも、それに¥2,000とか¥3,000足してでも、もっと個性のあるワインを買いたいと思います。※私個人の意見です。


但し!


ステンレスタンクで発酵熟成したイタリアのシャルドネを数千円出して飲むなら、このワインを飲んだ方が余程良いと思います。

※イタリアのシャルドネはイタダケナイです。しかし、シチリアとか面白い作り方をしているシャルドネは面白いです。それだけイタリアワインは一筋縄ではいかないんです。