「感動させたい」と思って歌っていませんか?
「聴いている人を感動させたい」 そう言う歌い手は、とても多いです。
でも私は、「感動させよう」としすぎるほど、 歌が不自然になることがあると思っています。
感動させようとすると、
声を震わせる。
息を多く混ぜる。
語尾を必要以上に抜く。
泣きそうな声を作る。
ここぞというところで大きな声を出す。
いわゆる「感情を込めた歌い方」を足していく。
でも、それで本当に人は感動するでしょうか。
そもそも感動とは、歌い手が「ここで感動してください」 と操作するものではありません。
同じ歌を聴いても、涙を流す人もいれば、懐かしくなる人もいる。
元気になる人もいれば、何も感じない人もいる。
感動は、歌い手の中ではなく、 聴いた人の中で起きるものです。
だから歌い手がやるべきことは、「感動させる演技」ではありません。
歌詞を理解する。
言葉をどう届けるか考える。
どこで息を吸い、どこまで一息で歌うのか。
どの言葉を立て、どこを抑えるのか。
強く歌うのか、弱く歌うのか。
そして、 それを思った通りに声で表現できる技術を持つこと。
切なく歌いたいのに、弱くすると声がかすれる。
力強く伝えたいのに、高音になると叫び声になる。
それでは、表現したくてもできません。
だから、 表現のためにもボイストレーニングが必要なんです。
「どうしたら感動させられるか」ではなく、「この歌で私は何を伝えたいのか」。
まず、そこから歌を作ってみてください。