「7年前の今日や、2013年3月25日。そうガルパンの最終話が放映された日や」

そう云うと

タマコは赤いパンタロンを穿いてジミーチュウを履いた

僕はどうだろう

背中にスカルのジャンパー、そしてベージュのラッパだ

少し恥ずかしいんだけど

タマコのラッタッタはにべもない


駅に着くと

「あれ、アトムがいなくなってる」

僕が叫ぶと

「今頃気付いたんか」

タマコはそう云ってメットを脱ぐと

「あてはゴーゴーや」と云った

「いや風龍や」と僕は答える

どうやらタマコの今日はカレーらしい

が、僕こそゆずれない

何しろ今日はラーメンが食べたくて食べたくて仕方がないのだ

「なにがなんと云おうとゴーゴーや」

「いや、テッコウ弾あめあられでも風龍や」

するとタマコは

「ほうか、テッコウ弾か。さすがにそれはしゃれにならんわな。ほなゴーゴーと風龍のあいだをとって安土や。うん安土に決まりや」

僕はもうラッタッタに乗らされていた

タマコのカレーつけ蕎麦

僕のカレーつけ蕎麦

「な、カレー蕎麦うんまかったやろ」

「うん、ここにもアトムがいたね」

僕がそう答えると

「いや、そうでもないねん。街灯についとったアトムの看板も消えてしまってん」

タマコはそう答えると寂しそうに中空を見上げた


どの街灯にもアトムは消えてなくなっていた