久々に海岸の景色が美しい故郷の丹後町を訪ねて

１２月１７日（土）東京浅草寺歳の市、羽子板市〜19日。

またとない好天に恵まれた11月11日、久々にふるさと丹後半島北端、京丹後市丹後町竹野を訪ねました。海岸の景色が美しく近くに歴史ある竹野神社、隣町が「間人がに」（たいざ）で知られる間人です。写真は立岩の見える間人海岸方面（上）と竹野港（下）です。

いささか個人的な感慨で恐縮ながら、生涯最後の墓参りをかね、子どもたちと一度は本格的な「間人がに」フルコースの贅沢を体験してみようと考えた２泊3日の故郷旅行です。結果的にはまたとない好天に恵まれ、忘れることのできないよき旅になりました。

大下家は現在４代目になりますが、家を継いだのは弟の道之（元京丹後市副市長）。初代の大下弥左衛門（天保13年〜明治27年）は大下弥右衛門から26才で分家。2代目は岩蔵（明治6年〜大正9年）、3代目が父の益雄（明治37年〜昭和39年）。

永眠している先祖で覚えているのは両親と後添いの母（母の妹）、祖母の４人。母はわたしが10才、祖母は同じく26才、父は29才、後添いの母は79才の時、90才で他界しました。先祖を通じて現在のわたしは２番目の長生きになります。故に感謝の墓参りでもあります。

加えて母校の網野高校がある京丹後市網野町には姉、近隣の島津町には妹が嫁いでいましたが、妹は8年前、姉は5年前に他界。今回は２人の姉妹、さらに母の親元、母方の叔母を加えた５家の墓参りです。これも京都からレンタカーなればこそ可能なスケジュールです。高速道が整備され京都から丹後まで２時間コース。かつては網野から京都は汽車で５時間半。

さて、かつての間人町は漁業と丹後ちりめんの本場、街のあちこちからガチャガチャと鳴る織機の音が聞こえてきたものです。「間人」（たいざ）の名称は第31代の用明天皇の妃で聖徳太子の母君である「間人皇后」（はしうどこうごう）にちなんだ名前です。

戦乱（蘇我と物部）の地、飛鳥を逃れた「間人皇后」は、安全なこの地で7年間を過ごしたと言われています。戦乱が収まりこの地を去る際、村人たちの手厚いおもてなしへのお礼に、「間人皇后」は自らの名「間人」（はしうど）をこの地に贈りました。

しかし「はしうど」のままでは畏れ多いことから、皇后が退座したことにちなみ「間人」の読み方を「たいざ」としたといわれています。「間人皇后」おつきの高貴な苗字とされる藤原、中江、松本姓が多い土地柄で、ちなみに「東の渋沢、西の松本」と呼ばれた関西財界の重鎮、松本重太郎は間人の出身です。

「間人がに」は一般的に松葉がに、北陸では越前ガニと呼ばれています。たまたま丹後の経ヶ岬沖に松葉がにの好魚場があり、間人漁港が最も近いということで、採れたカニは生きたままセリに出される最高級ブランド品。その新鮮な味覚は別格と言われ、多くの蟹ファンがシーズンには後を絶たないようです。

カニの解禁は毎年1１月6日。報道によると越前漁港の6日初競りでは２・２キロの最高級ブランド「極」（２キロ以上）が310万円で落札されたとこと。近年は漁獲量が減少し、この10年で2倍に値上がりしているとのことです。

一般の家庭では雄のズワイガニは高嶺の花で、滅多なことで口に入れることはできません。したがって子どもの頃から雌のセイコガニ（コッぺガニ）を食べてきました。そこで今回は生涯に一度の「間人ガニ」フルコース料理の贅沢に及んだ次第です。

時々テレビにも登場してきた間人旅館「よ志のや」は父方の従兄弟の経営（現在は長男が継承）で、その福山勝彦氏はかに料理などの創作で京都府が認定する「京都の名工」に名を連ねています。「よ志のや」を長男に譲ってから、お蕎麦専門の「天風」を近くの山中にオープンし、これまた多くのフアンを魅了しています。今回も昼食でお世話になりました。

弟夫妻、長男、長女夫妻の合計６名による「よ志のや」の夕食は念願の「間人蟹フルコース」料理。食前酒、お造り三種、蟹刺し、茹ガニ、カニ甲羅蒸し、カニ炭火焼き・甲羅焼き、蟹味噌ごはん、蟹味噌スープ、蟹すき鍋、カニ雑炊、香のもの・デザートからなる蟹づくし豪華版を堪能。

土曜雑感 「間人がに」フルコース料理を満喫する

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