人生いかに生きるべきかの「修身教授録」を読む

 

10月18日(木)

 

第9講 読書

 

(大意)

 

 読書の人生に対する意義は一口で「心の食物」であり、人間生活の半ばを占

 めるほど重要なことです。「偉大なる実践家は、大いなる読書家である」とい

 うことです。

 

人生における深刻な経験は、たしかに読書以上に優れた心の養分です。が同時に注意を要するのは日常生活の中に宿る意味の深さは、主として読書に照らして初めてこれを見出すことができるのです。

 

もし読書をしなかったら、いかに切実な人生経験といえども、真の深さは容易に気付きがたいと言えます。したがって、人間生活の半ばを読書が占めるべきだと言えます。

 

他の半分は、かくして知り得たところを実践して、それを現実の上に実現していくことことです。もちろん「半ば」というのは、内面的な釣り合の上から言うことで、時間の上から言うことではありません。

 

いやしくも真に大志を抱く限り、それを実現しようとする以上どうしたら実現できるかと思いをくだく結果、必然的に偉大なる先人たちの歩んだ足跡を辿り、その苦心の後を探って見ること以外に道のないことを知るのです。

 

真に志を抱く人は、昔から分陰を惜しんで読書をむさぼり読んだものであり、否、読まずにはいられなかったのです。諸君は差し当たり「一日読まざれば一日衰える」と覚悟されるがよいでしょう。