人生いかに生きるべきかの「修身教授録」を読む

 

10月10日(水)

 

第3講 生をこの国土にうけて

 

(大意)

 

 この国に生まれて日本民族の一員になれたのは、私達の父母が日本人だから

 であり、日本人としての両親の胎中に、一個の生命として宿ることができた

 からです。

 

 

われわれは人としてこの国土に生をうけたことは実に幸せなことですが、日々の生活の中でこの点をほとんど気付かずに日を送っているのです。この国土は気候が穏やかで人々の気質も穏やかです。

 

さらに国土が島国であったことが大きく働いています。他国と地続きの国のように外敵の侵略を受けなかったことが穏やかな歴史を証明しています。このように平素自分が受けている恩恵について容易には気付きがたいのです。

 

それというのも、生まれ落ちるや否や耳にするのは日本語であり、その眼に入るのは両親を始めみな日本人であり、眼に入る山河大地もまた日本の国土です。

 

われわれの血液は、父母の血を受けたことを語るもので、「孝経」に「わが身は父母の遺体」と言われるゆえんです。われわれ一人ひとりは、それぞれ民族の血液を宿すと共に、さらに歴史の中から生まれてきたわけです。

 

このように考えますと、日本民族の一員として、この国土に生まれてきたということは、無量の因縁の重なり合った結果であって、それこそ民族の歴史に深く根ざしをもつわけです。