二宮尊徳の「二宮翁夜話」に学ぶ(677)

4月22日(水)

(276)才知は道徳に遠い②

「中庸に『賢者はこれに過ぐ。』とあるが、まったくだ。およそ世間の人は太閤記や三国志などの俗書を好むが、はなはだよろしくない。そうでなくても闘争の気分が盛んで、嘘偽りの気持ちがきざし始める若い者に、このような本を読ませては悪い。

世人は太閤記や三国志などを読めば、利口になるなどというが、間違いだ、気をつけるがよい。」

現場起点の3つのイノベーション(下記)はすでに紹介しました。

①プロセスイノベーション(革新的な仕事のやり方、プロセスを生み出す)
②プロダクトイノベーション(革新的な商品、サービスを生み出す)
③ビジネス・イノベーション(新たな事業を生み出す)

そのお手本は、サービス業の革新モデルとされるヤマト運輸です。宅急便のお世話にならない人や家庭はいま存在しないでしょう。なくてはならないサービス機能になっています。

このサービス開発を決断実行した小倉昌男氏(当時社長)は述べています。「会社が危機的状況に直面したとき、頭に浮かんだのは、まさに逆転の発想であった。市場を商業貨物から個人宅配へと切り替えるべきではないかと。

ここで重要なのは、トップである私が採算のとれる事業になりうると経営判断し、徹底的に工夫した、その結実であった。」(小倉昌男経営学、日経PB社)