映画「バズ・ライトイヤー」の賛否 | キュアな月に代わって鬼滅けて~プリキュア、鬼滅の刃、セーラームーン、旧車ミニカー等~

【本当に子供目線に立っているのか】

日本での公開前から賛否両論がある劇場アニメ「バズ・ライトイヤー」だが、賛否は大別して二種だと思われる。一つは製作する必要性があったのか、ということ。もう一つはアジア圏で上映中止国が相次いだこと。

 

ディズニー・グループの製作スタジオ、ピクサーの信念の一つに、当該映画の続編やスピンオフ作品は、製作すべき理由がない限り、製作は行わない、というのがある。

当映画は、「トイ・ストーリー」の登場人物、アンディが夢中になった映画、という設定だが、果たしてあの内容で子供が夢中になるだろうか。

 

子供向けアニメとしては、内容が地味過ぎはしないか。もっと単純明快で起承転結がはっきりしたストーリーで、ヒーロー性が際立ったキャラクターがいて、ハラハラドキドキさせるようなものじゃないと、子供の心を掴むのは無理じゃないだろうか。

「トイ・ストーリーの出涸らしスピンオフ」と揶揄する者もいる位。もちろん、大人が観る分には問題ないと思う。ただ、北米での初週の興収は予想を下回っている。

 

ネットで一番問題(いや、話題か)になっているのは、みなさんもご存知のように、もう一つの点、上映中止について。しかし問題は同性愛の(キス)シーンじゃなく、上映中止はディズニー側の意向によるものだったこと。

 

 

アジア圏では同性愛を違法とする国が少なくない。そういう当該国は皆、配給のディズニー側に、同性愛シーンをカットして上映させて欲しい旨、願い出たが、ディズニーはそれを認めなかった。それはディズニーの贖罪からくるものだった。

ネットで皆、知っているとは思うが、この問題はフロリダ州の性自認議論禁止法案、通称「Don’t Say Gay(ゲイについての議論禁止)」法と、ディズニーの関りに起因する。

 

その法案の内容は、幼稚・保育園から小学校3年生までの児童に対し、学校などで性的指向についての議論を禁止し、それ以上の学齢の児童・生徒についても推奨しない。もし教師がこの法案に反する教育を行えば、保護者は訴訟を起こすことができる、というもの。

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この法案を推進していたフロリダ州の議員に対し、ディズニーが企業献金を行っていたのだ。これを問題視したディズニー社員らはいくつもの州でLGBTQIA+とその尊厳を守るためのデモを決行。

会社側は社会問題化することを恐れ、それらの人権団体に寄付をする旨、公表したものの、それらの団体はディズニーが当該献金をやめない限り、受け取らないと撥ね付けた。法案は3月に成立し、今月より施行された。

 

ディズニー側は法案成立日に、「この法案の撤回を目指して関連人権団体を支援していく」旨の声明を出したものの、同時期、会社側が「バズ・ライトイヤー」の同性愛シーンをカット処理していたことが内部告発される。その結果、ディズニー側は批判に晒されることになり、結局、カットせず、上映することになった。

 

 

つまり、ディズニー側がアジア各国の意見を取り入れ、問題シーンをカットした上映を認めてしまえば、信用・信頼が地に落ちることになるのだ。

個人的には、ディズニーの献金は容認できないが、問題シーンのカットは分かる気がする。日本のアニメ監督もそうだが、ピクサーやディズニーのアニメーターらは、自らが世界のアニメ界をリードしていくという気概があり、また、一般映画と同等に張り合う、そんな意気込みも感じられる。

 

 

 

 

 

しかしそれは映画を観る子供目線に立っていると言えるんだろうか。子供はそんなシーンを観たいと思っているだろうか。親の立場になると、そのシーンを観た子供にそれについての質問があった時、返答に困ることもあるんじゃないだろうか。なぜ、男性じゃなく、女性と結婚するの?どうして女性同士なのに子供が産まれるの?等々。

 

 

劇場アニメは、子供だけじゃなく、大人も楽しめる内容じゃないと興行的には成功し辛いが、昨今の作品は、あまりにも大人を意識し過ぎていないだろうか。

全世界のアニメーターや監督に問いたい。あなたの描こうとするものは、本当に子供が観たいと思うのか、と。

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