「今、この瞬間に、YESと言ったら?」

 

 

2013年。

これだ!っと飛び込んだ、サイキックマッサージのトレーニングでの体験談の続きです。

 

 

正直。

どんなマッサージなの?

どんなトレーニングをしたの?

という質問に、何から話せばいいのやら、、といちばん考えてしまうワークだったりするのですが。

 

 

ひとまず、今でも鮮明に覚えているトレーニング冒頭での、YESの瞑想体験をお話してみようと思います。

 

 

体験談。

これはもう、十人十色ですが。

よろしければ、引き続きお付き合いください。

 

 

 

 

 

*

 

 

「今、この瞬間に、YESと言ったら?」

 

 

今、この瞬間に、どんなことを感じて、どんな動きがしたいのか?

日常のなかで、あえてそれを問いかけて、その瞬間の自分自身を探るなんてこと。

これまでに、どのくらいあったでしょうか?

 

 

いや、そんなこと、したことあったっけ?

 

 

自分のことなのだから。

感じたままに、行動しているもんじゃない?

 

 

それまで、そう、思っていました。

というか、そうしてきたと、思っていました。

 

 

*

 

 

「今、この瞬間に、YESと言ったら?」

 

 

わたしは、その場に立ったまま、小さな小さな動きを繰り返していました。

 

 

きっと周りから見たら、ずっと立ったまま、何もしていないように見えたかもしれません。

 

 

大きく息を吐く。

息を吸う。

1本の指の、指先を回す。

肩を、回す。

そしてまた、1本の指を動かす。

 

 

こんな動きを繰り返しながら、どんどん自分の内側へ入っていくうちに。

自分自身も、その周りに感じられる空間も、より微細に静かな空気に包まれていくのを感じていました。

 

 

しばらくして。

微かに、抵抗のようなものを感じ始めました。

 

 

この抵抗は、どこから来るんだろう?

今、わたしは、いちばん心地よいと感じることをしているはずなのに・・・

 

 

そんなことを、頭の片隅で考えながら瞑想を続けているうちに。

急に、周りの様子が気になり出しました。

 

 

みんなは今、どんなことをしているんだろう?

 

 

わたしは、こっそり薄目を開けて、スタジオのなかをグルリと見渡しました。

 

 

すると。

 

 

体を大きく動かしている者。

スタジオのなかを、グルグル歩いている者。

床に寝そべっている者。

 

 

ずっと同じ場所に立ったままの自分からは、想像もしていなかった光景が目に飛び込んできて、なぜかドキリとしました。

 

 

 

 

羨ましい。

 

 

 

 

こんな言葉が浮かんだと同時に、それまでの静けさが一瞬に消えて、急に居心地が悪くなりました。

 

 

罪悪感のようなものが、わたしのなかを渦巻いています。

 

 

ゲゲーッ!!

 

 

わたしは、慌てて目を閉じました。

 

 

しばらくの間、そのまま立ち尽くしながら、その居心地の悪さを感じていました。

その間も、YESの瞑想は続いています。

 

 

「今、この瞬間に、YESと言ったら?」

 

 

ようやく、まてぃさんの声が耳に戻ってきた時。

わたしの心境を知ってか知らずか、こんな言葉が続きました。

 

 

「そこに、何が起こっても、YES。それを受け容れます。」

 

 

ウケイレル?

 

 

この嫌な居心地の悪い感覚に、YES?

 

 

YESなのね?

YES、なんですね!

 

 

羨ましい。

そう感じたことから起こった罪悪感。

 

 

こんなことを感じてしまうのは、悪いこと。

それまで、いつからか?なぜなのか?

わたしのなかでは、当たり前のように定義付けられていたことの、ひとつでした。

 

 

でも、ここでは、それをもYES。

 

 

いいんだよ、それで。

OKなんだよ。

ぜんぜん、悪いことじゃないんだよ。

 

 

そう言われているように感じたわたしは、なんだかとても安心しました。

強張った身体が、徐々に緩んでいきます。

 

 

なぜだかとても、寛いできました。

 

 

それからしばらくの間、ふりだしに戻ったように。

小さな小さな動きを繰り返していました。

 

 

罪悪感という居心地の悪さは無くなったまでも、どこから来るのかわからない抵抗は続いていました。

 

 

わたしは何に抵抗しているんだろう?

 

 

「今、この瞬間に、YESと言ったら?」

 

 

小一時間、小さな小さな動きをしていたわたしでしたが、急に、高い崖から飛び降りるかのような。

機が熟したと言わんばかりの、エイッ!という感覚が湧いたと同時に、床に腰をおろしました。

 

 

床に腰をおろす。

 

 

ずっと、ほんとは、こうしたかったんだ!

 

 

なんでこんな簡単なことが、行動に移せなかったんだろう?

 

 

なぜだ?なんでだ?!

 

 

気づけば、ずっと感じていた抵抗から解放されています。

とても晴々した気分です。

それでいて、頭のなかは???でいっぱいでした。

 

 

誰からも、こんなことをしてはダメだよ!なんて言われていないのに。

なんで、こんな簡単なことが出来なかったんだろう?

 

 

ここで、この日のYESの瞑想は終わりました。

 

 

腰をおろした床の木目を見つめながら、わたしはただただ呆然としていました。

 

 

サイキックマッサージのトレーニングに参加した者達が、決まって口にする感想のひとつに。

 

 

まるで、人生の縮図を体験しているかのようだ。

 

 

というのがあります。

 

 

わたし達は、知らぬ間に。

生きる環境、そこで身につけた、染みついた独自のパターンによって、無意識に行動しているようです。

 

 

それが、本来の自らの意思に、在り方に基づいているものなのか?

それとも、まやかしなのか?どうなのか?

 

 

そんなことさえ、気にかけることもなく。

無意識に・・・

 

 

*

 

 

さて、ここまでお付き合いくださった皆さん。

ありがとうございました。

 

 

このような体験をスタートに、サイキックマッサージのトレーニングが、この先続いていったわけですが。

 

 

そこでは。

マッサージの手技を学ぶ、という時間以上に。

“自分を知る”という体験を、あらゆる手法を交えて味わっていくことになったのです。

 

 

止むことのない探究心をかき立てられる。

終わりのないテーマです。

 

 

*

 

 

よろしければ。

是非一度、このYESの瞑想を、皆さんにもお試しいただけたらと思うのです。

 

 

瞑想だから、といって、なんら気張る必要はありません。

 

 

ほんの少しだけ、仕事の合間に、家事の手を休めて。

静かに目を閉じて。

たった一言、自分に問いかけるだけでよいのです。

 

 

「今、この瞬間に、YESと言ったら?」

 

 

そんな問いかけに、いったいどんな答えが返ってくるでしょう?

 

 

YESの瞑想、おすすめです。