相続法の改正 | 相続と不動産と私

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相続・事業承継を切り口として活動している一般社団法人不動産ビジネス専門家協会(PREB)内のグループのブログです。


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みなさま、はじめまして。日比谷公園にある事務所で弁護士をしております、植松と申します。

 

この度、相続事業承継WGに参加させていただきました。相続事業承継WGは、それぞれバックボーンが異なった、多彩なメンバーから成っており、なかなか面白いWGです。メンバーのほぼ全員が酒飲みというところも、欠かせない魅力です(もちろん、私も酒飲みです。)。

 

 さて、相続事業承継WGに参加した以上、私もブログを担当することとなり、今回、初めてブログを書かせていただきます。初回のテーマは、弁護士らしく(?)、「相続法の改正」といたしました。

 

 相続法(正確には、民法の第5編)の改正については、報道などでご存知の方もいらっしゃるでしょうが、このブログでは、施行期日(改正項目が適用開始となる日)を意識しながら、わかりやすく解説しようと思います。

 

 今回の「相続法の改正」は、実は、施行期日が4段階に分かれています。

 

 4段階のうちの最初の施行期日は、今年(2019年)の1月13日です。すでにスタートしており、この日から、「自筆証書遺言の作成方式」が緩和されています。

 

 「自筆証書遺言」とは、遺言書を作成する人が、遺言の全文・日付・氏名を手書きのうえ押印して作成する遺言をいいます。

 

自筆証書遺言の作成には、公証役場での手続きや立会人が不要なので、費用がかからないなどのメリットがあります。他方、自筆証書遺言を作成するには、遺産目録(遺産の一覧表)部分も含めた全文を自分で手書きしなければならないことから、遺産の種類が多い場合など、大変な労力を要することとなります。

 

そこで、相続法改正では、自筆証書遺言の作成方式を緩和して、「自筆証書遺言の目録部分」については、手書きをしなくても、パソコンで作成した書面や預貯金通帳のコピーなどを添付して、それを目録として使用することを可能としました(法制審部会資料24-2 21頁)。

ただし、「目録部分」が勝手に差し替えられるようなことは防がなければなりません。そこで、パソコンで作成するなどして添付された目録のすべてのページに、遺言を作成する本人が、署名押印することが求められています。

 

 この改正によって、自筆証書遺言の利用がこれまでより増えることも予想されます。ただ、今回の改正は、あくまで「自筆証書遺言の目録部分」の作成を容易にしたものにとどまります。これ以外の点、例えば、自筆証書遺言の訂正方法は、これまでと変わることなく面倒ですし(訂正の場所を指示して、これを変更した旨付記した上で、署名押印しなければなりません)、遺言の偽造防止のための工夫を要することなどもこれまでどおりです。

 

要するに、自筆証書遺言の作成は、これまで同様、難しいのです。相続法改正後であっても、自筆証書遺言を作成する際は、やはり専門家に相談されることをお勧めします。

 

 改正相続法の次の施行期日は、今年の7月1日です。この日が、今回の改正の原則的な施行期日で、大半の改正項目がこの日から適用されることとなります。

 具体的には、遺産の一部分割を可能とする、遺産分割前であっても預貯金の一部の払戻しを受けられる、遺留分(前回のブログで触れられていましたね)に関するルールの見直しなど、多くの改正項目が適用開始となります。

 

 7月1日以降に適用となる改正項目は多岐にわたるため、今回のブログでは解説しきれません。これらの解説は、次回以降のブログに譲ろうと思いますので、次回以降もまた、引き続きよろしくお願いいたします(これで、当面、ブログテーマのネタ探しをしなくて済みます・・・)。

 

 残った改正項目の施行期日ですが、今年の7月1日の次の施行期日は、来年(2020年)4月1日です。この日から、「配偶者の居住の権利」に関わる改正などが実施となります。

 さらに、来年7月10日からは、「自筆証書遺言の保管制度」が運用開始となり、これで一連の改正項目がすべて実施されることとなります。

 

これらについても、追って、ブログでフォローしようと思います。

 

 最後に、改正法の施行期日と相続の開始日(要するに、ある方がお亡くなりになった日)の関係ですが、原則として、改正項目の施行期日前に開始した相続については、改正前のルールが適用されることとなっています。ただし、これには一部に例外もありますので(ややこしい・・・)、適用ルールの個別のチェックは重要になります。

 

 それでは、次回また、よろしくお願いいたします

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