相続と不動産と私

相続と不動産と私

相続・事業承継を切り口として活動している一般社団法人不動産ビジネス専門家協会(PREB)内のグループのブログです。


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新年あけましておめでとうございます。

司法書士の塩足(しおたり)です。

 

今日から本格的に2019年の仕事始め、という方も多いでしょうが、

私はこの年末年始は、

元日以外はほぼ毎日、何かしらの仕事に追われていたので、

いつお休みを頂こうかしら、と内心であれこれ考えているところです。

 

さて、前回に投稿してからすっかり間が空いてしまいましたが、今回は

登記という制度が、「相続」や「事業承継」と

どのような形で関わっていくのか

について、引き続き解説を加えた上で、

不動産の相続登記について、少し詳しく説明していきたいと思います。

 

まず、「相続」とは人が亡くなることによって、その手続きが始まります。

そんなの当たり前だろう、と思う方が多いのではないかと思いますが、

これは、民法という法律がそのようにルール付けをしているが故に

認められている制度なのです。

 
 

民法

第882条 相続は、死亡によって開始する。

第896条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。(以下略)

 

 

 

 

 

 

上の条文にもあるように、人が亡くなると、相続が開始します。

そして、相続人となる人は、亡くなった人(=被相続人)から

一切の権利義務、すなわち、相続財産を譲り受けることになります。

 

実際には、遺言が遺されている場合や、

相続人の間で遺産分割協議を行うことで

相続人の誰が、具体的にどの財産を譲り受けることになるのか、が

決まるケースが多いのですが、相続財産のうち、不動産については、

相続を理由としてその名義人(所有者)が変わった、ということを

役所(法務局)に届け出る手続き(=相続登記)が必要となります。

 

また、亡くなった方が、会社の経営者であった場合には、

相続財産である会社の株式のみならず、会社の事業そのもの

相続人に引き継がせる必要が出てきます。

そして、その会社について、

誰が新たな社長(代表取締役)や役員(取締役)になったのか、

ということを

やはり役所(法務局)に届け出る手続き(=商業登記)が

必要となります。

 

このように、「相続」や「事業承継」と「登記」とは、

密接な関連性があるわけです。

 

ここで、不動産の相続登記手続きについては、

 

相続が開始したということを法務局に届出しさえすれば、

すんなりと相続人名義に変えられる・・・わけではない

 

という点に注意が必要です。

 

先にも触れたように、相続手続きにおける多くのケースでは、

相続人の間で遺産分割協議を行うことによって、

具体的に不動産を誰が相続するのか、を決めることになるのですが、

この場合、

 

①不動産の現在の名義人が実際に亡くなっている

 (相続が開始している)のか

誰が相続人に該当するのか、相続人は全部で何人いるのか

③上記の相続人のうち、具体的に誰が不動産を相続するのか

 

ということを、書面によって証明する必要が出てきます。

 

しかしながら、これがなかなかに大変でして、

 

被相続人の出生~死亡までにおける全ての戸籍

 (除籍、改製原戸籍)

相続人全員の現在戸籍

遺産分割協議書(相続人全員が実印で押印したもの)

相続人全員の印鑑証明書

 

全ての書類を法務局に提出しなければなりません。

(※これが相続登記における必要書類の全てというわけではなく、

他にも被相続人や相続人の住民票などが必要となってきます)

 

私のところへ相続登記の手続きのご相談に来られる方の中には、

上の①の戸籍の収集がなかなかできず

お困りになっている方も少なくありません。

 

また、相続人のうち一人でも

認知症などの理由で、遺産分割協議書に判を押せない人

協議の内容に反対して、遺産分割協議書に判を押してくれない人が

いたりすると、その時点で相続手続きが暗礁に乗り上げてしまう、

などということにもなりかねません。

 

そこで、このような手続き上の問題点を解消する上で、

実は遺言が有効なのだ、ということをお伝えしたいと思いますが・・・

続きはまた次回に。


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こんにちは。税理士の花光(はなみつ)です。


仕事柄、相続税に関するお悩みや相談を受ける機会があります。

相談を持ち込まれる方の状況も千差万別、

ひとつとして同じものはありません。

 

今はインターネットの時代なので、検索することで一般の方でも

手軽に相続税対策を知ることができるため、「これならできる」と考え、

ご自身で対策される方も少なくありません。

 

ところが、その対策には思わぬ盲点があり、

後々面倒なことになる場合もあります。

 

相続税対策の王道に「生前贈与」というものがあります。

相続で税金がかかるくらいなら

生前に贈与してしまおうという考え方です。

 

相続人がお亡くなりになった被相続人から、

相続が発生する3年前までに暦年贈与した財産は

相続税の課税対象とする生前贈与加算という制度がありますが、

「相続が発生する3年前より昔に

暦年贈与した財産には相続税はかからない」ので、

早く贈与で次世代に資産移転することが

節税につながるという訳です。

 

じゃあ、どんな財産を贈与するのが良いのでしょうか。

もちろん現金贈与でも全く問題ありませんが、

今後値上がりが予想される財産を贈与すると値上がり益部分を

相続税として課税されることを避けることができますし、

賃貸アパートのような収益物件を贈与すると

家賃収入を次世代に移転することができるなど、

付加的な効果を得ることもできます。

 

ただし、賃貸アパートを贈与する場合には

注意が必要なことがあります。

 

通常、賃貸アパートを次世代に贈与する場合には、

建物のみを贈与するケースが多いです。

というのは、土地を動かすと贈与財産の金額が

大きくなりすぎるため、多額の贈与税の負担が生じるケースが

多いためです。

 

では、建物だけ贈与すれば問題ないですねって考えていると、

また別の問題が出てきます。それは土地の評価の問題です。

 

親が土地建物両方を所有していた場合、

その敷地である土地については借地権や借家権割合を

差し引いて計算した貸家建付地として評価されるため、

その評価額が低く抑えられています。

 

ところが、建物のみを子に贈与すると状況は変わります。

建物所有者と土地所有者が違う場合には借地権の問題を

心配する必要がありますが、「子供から地代を取ろうと考える親」は

少ないため、無償で貸し付けられているケースが多いです。

法律的には、「使用貸借」で親から子に

貸し付けられている状況ですね。

 

このような使用貸借で貸し付けられている土地の評価は、

借地権や借家権割合を全く考慮しない自用地評価になるため、

評価額が高くなることになります。

 

 

せっかく実行した対策が逆効果になることもあるのが、

相続税対策の恐ろしいところです。

 

私自身も、

「むしろやらないほうが良かったのではないか?」

「もっと早く相談してほしかった…」という事案を見ることがあります。

 

また、賃貸アパートを贈与する場合でも

工夫することで問題をカバーする方法もあります。

慎重を期すならば、ネットの情報だけに頼るのではなく、

しかるべき専門家に相談すべきでしょう。

 


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こんにちは、社労士の片野です。

格調高い文章は他のメンバーに任せて、ゆるゆると柔らかいブログを書いていきたい思います(^ω^)

私、ある弁護士先生のブログが大好きでして、あんなふうに読み手に楽しんでもらえてかつ情報が入っているような記事を書きたいなあと思っています。

 

前回は唐突に終わり過ぎました。

なお、「短期間の入院と手術で良くなるけど命にかかわる病気ってどんなのよ」というツッコミは当然あるかと思います。

でも、問題はそこじゃないのでさらりと読み飛ばしていただければ幸いです。

 

で、ええと、Aさんは退院時に102,600円を請求されたんでしたね。

Aさんは、この金額を支払わなければならないのですが、

結論をいうと、健康保険から45,000円の払い戻しを受けることができます

それはなぜか?

 

それこそが、高額療養費という制度なのです。

 

高額療養費とは、標準報酬月額等をもとに定められた一定額(自己負担限度額)を超える医療費を、同一月に支払った場合に、超えた分が払い戻される制度です。

 

これは、協会けんぽのホームページhttps://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030を参考に作成した表です。

「総医療費」とは、保険適用される診療を受けて全額自己負担(10割)した場合の金額のことです。高額な診療を受けた月以前の1年間に、3回(3か月)以上高額療養費の支給を受けている場合、4回目(4か月目)からは「多数該当」として、さらに自己負担限度額が下がります。

 

で、この制度がどうAさんに当てはまるかというと、

 

  <Aさんのステータス>

ひと月の収入:通勤手当込み、額面26万円

  配偶者なし、一人暮らし、25

25歳は今初めて言いました。後出しで申し訳ありません。

 

「通勤手当込み、額面26万円」=「標準報酬月額26万円」と、ここではします。

これを上記の表に見ると、Aさんは「④区分エ」に該当するので、Aの自己負担限度額は、57,600円となります。

ですので、

 

退院時に支払った102,600円-自己負担限度額57,600円=45,000円

 

ということで、45,000円の高額療養費の支給を受けることができる、というわけです。

 

「そうは言ってもいきなり102,600円は払えない!」という場合、事前に申請して、「限度額適用認定」を受けておくと、窓口負担を抑えることができます。

 

また、認定を受けずに窓口負担をし、高額療養費の申請をして払い戻しを待つ間、3か月くらいかかるのが通例です。

 

「医療費が非常にキビシイ!!」という場合には、「高額医療費貸付制度」という無利子貸し付けが利用できる場合があります。

 

結構いい制度だと思いませんか?

私は思います(^^)

 

高額療養費制度は、年齢による区分や、合算できる金額の最低限度、診療機関が同一かということ、入院・外来の区分、など、細かい要件があるので、実際に適用が受けられるかは一概には言えないという煩雑さもあるのですが、私たちが持っている「保険証」は、「窓口負担を3割にする(まあ現役世代については)」以外にも、結構なチカラを秘めたものだということをぜひ知っていただきたいです(^o^)/

 

それを踏まえた上で、民間の医療保険にはどのくらいの保障を求めたらいいのかを考えるのが、賢い保険の使い方かなーという気もします。

 

今回は、「高額療養費を知ってほしい!」という観点から、概要をばーっとお話しました。

ちょこっと話したとおり、細かい要件がある制度ですので、病院のソーシャルワーカーさんや、社労士などの専門家に聞いたり、ご加入されている健康保険の資料を確認するなどしていただくのがいいと思います。

 

長いイントロダクションになってしまいましたが、PREB相続事業承継ワーキンググループ、今後ともよろしくお願いいたします!!

 

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