pray's Wine Bar -45ページ目

そんなときはちょっと背伸びして 大人のいい女を気取ってみては? シャトー・レオヴィル・バルトン[

「マスター聞いて・・・」
 そう言って、優子さんがいらっしゃったときは
 彼氏の愚痴が始まります。
 こんな日は、少し切ない・・
 なぜって・・それは彼女に少なからず好意をよせている
 私なのですから。
 そんな私の気持ちなどお構いなしに彼女は
 マシンガンのように話し始めて

「彼の職場のビルの1階に新しく入った会社に
 すっごいきれいな女の人がいるんだって
 そのこと今朝偶然、ビルの入り口で出くわして
 なにやら話ができたって・・・うきうき顔で
 そんなこと私に言わなくていいと思わない・・。
 ねーマスター・・何とか言ってよ。」

「そうですね・・でも、やはりきれいな女の人と
 お話できるのは、やっぱりうれしいモンですよ。
 だって、私も今はとてもうれしいですから・・。」

 びっくりした表情で、私を見る優子さんですが
 すぐにいつもの穏やかな顔になり

「マスター今日はどんなワインを進めらえるのかなぁー?」

 おだててもだめですよ・・そうとでも言いたいのだろう。

「こんな日は、とびっきりのワインを思いっきり気取って
 飲んでみるのもいいんじゃないんですか?
 あたしの方がいい女だよ・・・そんな感じで

 シャトー・レオヴィル・バルトン[2003]

 格付け2級のワインなんですけど、ちょっと安く手に入ったものですから
 グラスでもOKですよ」

 「へーじゃぁそれを・・・わたし、いい女に見えるかなぁ?」

 すでにデキャンタしていたワインをグラスに注ぎ
 彼女の恋が終わってしまえなんて魔法も少し加えながら
 
 「どうぞ、素敵な女性に素敵なワイン・・そして素敵な音楽を」

 私は、お気に入りのKeith Jarrett の曲をお店に流し始めました。


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星影のステラ