そんなときはちょっと背伸びして 大人のいい女を気取ってみては? シャトー・レオヴィル・バルトン[
「マスター聞いて・・・」
そう言って、優子さんがいらっしゃったときは
彼氏の愚痴が始まります。
こんな日は、少し切ない・・
なぜって・・それは彼女に少なからず好意をよせている
私なのですから。
そんな私の気持ちなどお構いなしに彼女は
マシンガンのように話し始めて
「彼の職場のビルの1階に新しく入った会社に
すっごいきれいな女の人がいるんだって
そのこと今朝偶然、ビルの入り口で出くわして
なにやら話ができたって・・・うきうき顔で
そんなこと私に言わなくていいと思わない・・。
ねーマスター・・何とか言ってよ。」
「そうですね・・でも、やはりきれいな女の人と
お話できるのは、やっぱりうれしいモンですよ。
だって、私も今はとてもうれしいですから・・。」
びっくりした表情で、私を見る優子さんですが
すぐにいつもの穏やかな顔になり
「マスター今日はどんなワインを進めらえるのかなぁー?」
おだててもだめですよ・・そうとでも言いたいのだろう。
「こんな日は、とびっきりのワインを思いっきり気取って
飲んでみるのもいいんじゃないんですか?
あたしの方がいい女だよ・・・そんな感じで
シャトー・レオヴィル・バルトン[2003]
格付け2級のワインなんですけど、ちょっと安く手に入ったものですから
グラスでもOKですよ」
「へーじゃぁそれを・・・わたし、いい女に見えるかなぁ?」
すでにデキャンタしていたワインをグラスに注ぎ
彼女の恋が終わってしまえなんて魔法も少し加えながら
「どうぞ、素敵な女性に素敵なワイン・・そして素敵な音楽を」
私は、お気に入りのKeith Jarrett の曲をお店に流し始めました。
星影のステラ