世間の人は

頭を使いすぎる。

頭を使うことは止めて

自分の内側のバランスをとってごらん。

すると心配や憂鬱がどんどん薄らぐ。

だいたい、

世間が「よし」とか「だめ」とか言ったって

それが君にとってなんだというんだね?

「善い」と褒められたって

「悪い」と貶されたって

どれほどの違いがあるかね。


みんながびくびくすることに自分も

びくびくしていたら、それこそ

切りがないんだよ―――果てしがないんだよ。



     「タオ―老子 」 加島祥造 訳 

     ”第20章 「おっぱい」は好きなだけ吸うがいい” より 一部引用



老子の「道徳経」の口語自由詩訳。


漢詩からの直訳ではなく、英語訳なども参考に、老子思想のエッセンスを現代人にもなじみやすい形に置き換えた本。あとがきで本人も述べているように、原文とはかなり違うところもあるが、意訳というよりは、詩人である著者が、タオイストとして納得できる言葉にしてあるのだろう。


この本は以前から持っていたが、陰ヨガのトレーニング時に、再度本棚から取り出して以来、おりに触れ再読している。陰陽とは何か、世の中のバランスとは何か、考えるヒントを与えてくれる。ぜひ、全文を読むことをお勧めします。


内容(アマゾン「BOOK」データベースより)
文字の奥にひそむ老子の声、それを聞きとるのは生命のメッセージを感得することだ。さりげない詩句で語られる宇宙の神秘と人間の生きるべき大道(タオ)とは?生き生きとした言葉で現代に甦る『老子道徳経』全81章の全訳創造詩。