サブスタンス | やまちゃんのホビー日記

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話題の映画「サブスタンス」を観ました。

アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイル賞を受賞しています。

主演のデミームーアは60歳とは思えないくらい若々しいですね。

ストーリーは50代の女優エリザベスが若さを取り戻すためにサブスタンスという薬を摂取する事で若返り、栄光を取り戻そうとする。

予告編は年取ったエリザベスと若いスーを交互に見せて、老いと若さの間で葛藤するドラマと予想するだろう。

しかーし!

この映画は予想の遥か上を行ってしまいます。

後半のエグい展開をこの予告編からは私も予想できませんでした!

それくらいンパクトが強い作品です。

たぶん見る人を選ぶ作品だと思います。

この作品のジャンルがボディーホラーと呼ばれていることからもわかります。

人間ドラマだと思ったらホラーだった!という人が続出しているようです。


なのでホラー耐性のない方は覚悟して見たほうがいいかもしれません。ホラー好きな方はハマる要素が多いと思います。


⚠️ここからネタバレ注意⚠️


まず、サブスタンスという薬の仕組みから説明しないといけません。

薬を注射すれば、そのまま若返るという単純なものではないというのがポイントです。

サブスタンスを摂取すると、自分の身体から若いボディが割って出てくるのです。

そして、サブスタンスのルールがあります。

二つの身体は一つという事で互いに影響しあっているということ。一週間毎に互いの活動を入れ替えなければならないという事。眠っている間には身体に栄養を与えないといけない事。

年老いたエリザベスと若々しいスーは一週間毎に入れ替わり生活を続けます。スーはエリザベスの後釜として、エアロビ番組の主役として人気が爆発します。スーは約束の一週間で交代というルールを破ります。そうするとエリザベスの老化が益々早まっていきます。ここでエリザベスとスーの対立が生まれ、それぞれに嫌がらせをしていきます。

これがエスカレートしていくことで、エリザベスは老化を通り越して異形のモンスター化していきます。

デミームーアがメーキャップでモンスターになって暴れ回る鬼気迫る演技は迫力あります。

ここら辺から、この作品の方向性がやっと見えてきました。

あー、これは80年代ホラーをやりたいんだなーと思いました。

デビット・クローネンバーグ監督作品のようなグロテスクな異形のモンスターを出して、今の時代を切るという尖った志向を持っているのがフランスの女流監督コラリー・ファルジャなんだなと納得しました。

最後のクライマックスのスプラッターシーンを嬉々として描いている事でわかります。

この作品はCGはあまり使わず、特殊メーキャップを使っています。かつて80年代に流行した特殊メーキャップによるSFX映画を思い起こさせる趣向の映像が随所に見受けられます。

アカデミー賞受賞したのも納得です。

本当にすごいものを見せられた気がしました。