FX戦略デイリー「北京緩和は通じ続けるか?」更新 | 山本雅文の外為市場「反射的熟考」

山本雅文の外為市場「反射的熟考」

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北京緩和は通じ続けるか?

<ポイント>

◆先週金曜は、東京時間午後8時過ぎに中国人民銀がサプライズの金融緩和を発表したことから、米中長期債利回りの上昇と共にドルが対主要通貨で全面高となった。ECBと人民銀の緩和姿勢により世界金融市場が安定化に向かい、米FOMCが利上げをし易くなるとの見方が台頭したようだ。
◆ドル/円は121円丁度手前まで続伸していたが、東京時間夕方に麻生財務相、本田内閣官房参与から目先の日銀追加緩和に否定的な発言が相次ぐと一時120.23円へ反落した。もっとも、東京時間午後8時過ぎに中国人民銀が金融緩和を発表すると米利回り上昇と共に反発、NY時間に121.48円へ大幅に上昇した。
◆ユーロ/ドルはユーロ圏PMIの予想比上振れを受けて一時1.11ドル台半ばへ小反発する局面もあったが、その後は中国金融緩和決定を受けたドル高で再び下落に向かい、1.0997ドルの安値をつけた。
◆金融緩和から恩恵を受けていないのがコモディティおよびコモディティ通貨で、豪ドルは欧州時間にかけては中国金融緩和決定もあって反発基調となり0.72ドル丁度近辺から0.7297ドルへ上昇したが、その後NY時間入り後には原油価格の下落に引きずられて0.72ドル丁度近辺へ反落・逆戻りした。

◆本日は、中国五中全会開会(29日まで)、ドイツ10月Ifo景況感(18:00)、メルシュECB理事発言(19:45)、米9月新築住宅販売件数(23:00)などが予定されている。引き続き、欧中の金融緩和姿勢の余韻がどの程度続くかが注目で、ドル/円は122円方向へ続伸するか、ユーロ/ドルは1.10ドルを明確に割り込むかが注目となる。但し、中国は五中全会を前に金融緩和を発表し追加策が出てくるかは不透明となり、ECB追加緩和も相当程度織り込まれたとみられ、ドルロング、ユーロショートの利食いにも注意が必要となりそうだ。

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