本日、日銀は市場予想通り金融政策を変更せず、黒田総裁記者会見でも消費増税後の需要の反動減も概ね想定内として、追加緩和の必要性を全く匂わせない姿勢を続けています。
むしろ、雇用・所得環境の改善ペース継続がよりはっきりしてきた、と強気な姿勢もみられています。
為替が特に円高になって行かなければならない理由はない、として、円安が進行していないことについて若干の違和感を表明していますが、現在のところ、円の強含みや株の軟調が景気に悪影響を与えていないことから、日銀の追加緩和を促す状況ではありません。
黒田総裁記者会見開始後、ドル/円は一時100.82円へ下落し、2月の安値である100.76円に迫っていますが、追加緩和期待が更に後退する中で、欧米時間に更なる下落もあり得るでしょう。
当面、日銀が2015年度中にインフレ目標の2%を達成できるという見通しを変えず、内外経済が大きく下振れない限り、日銀が追加緩和に踏み切る可能性は非常に低いでしょう。
このため、夏場の季節的な円高傾向と相俟って、ドル/円相場は100円割れに向かう可能性が高まっています。