寝る場所がどんどん狭くなってきて、やむを得ず年初から本の断捨離をボチボチ続けている。
しばらく見かけなかった本が出てくることになって、さまざまな感懐が去来する。
今日はオスカー・ワイルドの『幸福な王子/柘榴の家』という文庫本が現れて、作業がしばし停頓した。
光文社古典新訳文庫の一冊である。

カバーの絵は、一貫してこの文庫を担当し続けている望月通陽。通常、この人の装画は、作品内容の解釈に踏み込まない、言えば毒にも薬にもならないようなものだ。
しかし、この絵には驚かされた。
燕が怒っているのだ。

もちろん幸福な王子と燕の関係は、かねてより単純な解釈を許さない、玄妙極まる関係なのだが、燕に怒りの感情を付与するような解釈には初めて出会ったように思う。
そして、これはなかなか魅力的な読みだと思うんだが、どうだろう。





























