日フィル東京オペラシティ特別演奏会 | 出ベンゾ記

出ベンゾ記

ベンゾジアゼピン離脱症候群からの生還をめざして苦闘中。日々の思いを綴ります。



妙な組み合わせのプログラムだと思ったが、作曲家2人はほぼ同世代で交流もあった。もっとも音楽の性格は正反対で、そういう部分も意識した曲目だろう。

かねてオペラシティのコンサートホールの1階席は音が悪いと感じていた。残念だがこの日は1階。

案の定、ブラームスでは輪郭の不明瞭なオケに包まれたピアノが、なにやら硝子戸越しの影法師というような調子で、はっきりしない音楽が続き、集中力の維持に苦労した。

そのうちにオピッツは、顔はそれほどでもないけれど、体格はブラームスによく似ているなあ、とくだらないことを考え始める(笑)。





そのうちに、ときおりオピッツが閃光のようなフレーズを放つと、ブラームスはピアノが上手いなあ、などと思う始末だ。

この曲の2楽章は、もっとも聴きばえのする美しく躍動する音楽。全曲を知る前に、私は刑事コロンボを見てこの楽章が好きになった。



この回の犯人がことあるごとにこの曲を聴くのだ。

さて、響かないホールへの対策か、指揮のカーチュンは、チャイコフスキーのいささかお馬鹿なシンフォニーを、徹頭徹尾、大音響で押し通し、鳴らないホールが箱鳴りするという珍現象が起こった。



私は耳が痛くなったが、客は大喜びで猛烈な喝采が続いた。



疲れました(笑)。