週末は二度目のMETライブビューイング。

前回アンコールで観た「カルメン」 がとても良かったので、今回は初日に。でも、一週間限定上映なのがつらいですね。

今回の演目は、ワーグナーの「ニーベルングの指環<序夜>ラインの黄金」。序夜も入れると四部作、全15時間という大作の幕開けです。

この「ラインの黄金」、序夜と言うことで一幕物、四部作の中では一番短いものの、2時間半を超えます。その前にメイキングだのインタビューだのあるので、結果休憩なしの3時間超。観る方も体力勝負。

実は私、DVDでもまだ全作観ていません。三作目の「ジークフリート」で挫折してるかも。だって長いんだもん。まぁ、ライブビューイングで順番にやるそうなので、これが終わるまでにはなんとか観られそうです。

でも、この「ラインの黄金」はしっかり予習しましたし、話の流れもわかりやすいので、楽しく鑑賞しました。

あらすじ等はこちら↓を参照ください。
ラインの黄金 あらすじ -わかる!オペラ情報館

今回のMETは新演出と言うことで、ものすごい大がかりなセット(いや装置?)が用意されていました。

24枚の巨大な板が、縦に並んだり、一部横になったりして、スクリーンにもなり、橋にもなり、スロープにもなる。歌手さんたちはワイヤーで吊られたり、スロープになった板の上を斜めになって歩いたり(ワイヤーで引っ張られながらです)と大変です。

でも、おかげで水の中を泳ぐラインの乙女たちを見ることができました。あれは、すごい。乙女たちが歌うと泡まで出るんですから。

他にも、光る指環とか、炎に包まれたローゲとか、虹色に輝く橋とか、ビジュアル効果は目を見張るものがありました。

肝心の歌の方ももちろん良かったです。ちょっとフリッカ役の歌手さんの体格が立派過ぎるのが気になりましたが。

ライブビューイングだと歌手の表情まで良く見えるのが良いですね。もちろん、ライブの方が断然よいのは当然なのですが、METのオペラはいろんな意味で敷居が高すぎます。今度来日公演がありますが、とてもとても手が出ませんもん。それを、お手軽な価格で鑑賞させていただけるのは有難いことと思います。

それにしても、何度見ても思いますが、ヴォータン、勝手過ぎ(『人でなし』と思ったけど、人じゃないから仕方ないか)。ラインの乙女たち、意地悪すぎ。

ニーベルング族のアルベリヒやミーメ、巨人族の兄弟が気の毒でなりません。アルベリヒ役の方、歌も演技も素晴らしかったのですが、黒人の方だったのでなお、この人種差別の比喩が際立っていました。

続きは来年の春だそうです。次は有名な「ワルキューレ」ですね。やっと人間界が登場します。

【参考】

メトロポリタン・オペラ2010-2011シーズン開幕!!
オープニング・ナイトのNY現地レポート
(最新情報 | METライブビューイング | 松竹)

《ラインの黄金》新演出の魅力をご紹介!NY現地レポート第2弾!
(最新情報 | METライブビューイング | 松竹)