ランナーの皆さま、こんにちは!トレイルランガイドの安藤大です。

Relentless Forward Progress: AGuide to Running Ultramarathons
ウルトラマラソンの走り方―ブライアン・パウエル著

本日の一冊は、トレイルランにハマり、自分の大好きなことをして食べていこうと、安定した正社員仕事を辞めて、独立。人気サイト「http://www.irunfar.com/」を運営する傍ら、ランナーズワールドやランニングタイムス、トレイルランナーなどの各誌に寄稿する、ブライアン・パウエル氏による、ウルトラランニングレースを走る上での指南本。

ブライアン氏は、1992年の高校時代にクロスカントリーをはじめ、その後ウェスタンステイツ100(WS100)でも2度の年代別優勝経験もある、現役のトレイルランナー。全米トレイルランニング協会のメンバーでもある。先日のWS100でも、20時間切りを目指し出場。(調子不良で、リタイア)。

本著では、
ウルトラランニングをなぜ走るのか
ウルトラランニングの定義
ウルトラランニングのトレーニング方法
水分補給の考え方
エネルギー補給の考え方
50kmのトレイルランレース出場にあたっての一週間前の過ごし方
レース後のケアまで。


トレイルランニングは日本よりも欧米の方が歴史が古いとあって、書かれている内容も国内にはない、濃密な情報が満載。アドバイス人も豪華。ウェスタンステイツ100優勝者のジェフ・ロス、UTMF女子優勝のクリッシー・モール、第20回ハセツネCUPチャンピオンのダコタ・ジョーンズ、デイブ・マッキーなど。これだけのトップランナーの考え方が読めることはそうなく、ブライアン・パウエル氏の人脈と人徳によるところでしょう。

昨今の日本では、100kmのウルトラマラソンで、50kmや60kmに申込むと「え、なぜ半分?」といった声をたまに聞くことがありますが、本著ではルマラソン以上の距離はすべて立派なウルトラランニングと定義しています。普通に考えれば、42.195km走るだけでも大変なのに、私も50km、60kmも立派なチャレンジであり、完走者はウルトラランナーだと思います。

これは、英語辞書片手に、時間をかけてでも読んでおきたい一冊です。

日本ではブライアン氏と同じくトレイルランニングにハマり、外資系金融機関の仕事を辞めて独立し、人気サイト「DogsandCaravan.com」を運営する岩佐さんがいます。海外トレイルランニング情報や有力選手紹介、国内外のレースの速報など、こちらのサイトもおすすめです。

≪本著より≫
フルマラソン以上の距離はすべてウルトラランニングである。

もしあなたが速く走らなければ、あなたはそれ以上速く走れないだろう。―イアン・トレンス

100マイルレースで決して速さは重要ではないが、リードビル100を優勝した
アントン・クルピチカ選手の平地5kmの自己ベストは、16分30秒。

体重の2~3%の水分ロスで、ランニングパフォーマンスは10%落ちる。

普段どのぐらいの汗をかくのか、知っておく。

世界トップランナーの多くがvegan、vegetarian、fruitarianである。

ウルトランニングで必要なカロリーは、1時間に250kcal~400kcal。20分ごとにジェル1個のペース。
ただしこれはペースによっても異なる。


Relentless Forward Progress: AGuide to Running Ultramarathons