邦画「ちひろさん」 | 日々酒とメシと音楽と映画と読書

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音と映像の業界に身を置いて30数年。
日々聴いてきた音楽、観てきた映画、読んだ本(コミック含む)の感想などをのんびりとゆるやかに書いています。
時々酒と旨い食べ物の話なども。

NETFLIXプレゼンツでネトフリ全世界同時配信と劇場同時公開の邦画。

原作は「ショムニ」も描いた安田弘之氏。

 

 

 

【STORY】

ちひろ(有村架純)は、風俗嬢の仕事を辞めて、今は海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで働いている。元・風俗嬢であることを隠そうとせず、ひょうひょうと生きるちひろ。彼女は、自分のことを色目で見る若い男たちも、ホームレスのおじいさんも、子どもも動物も・・・誰に対しても分け隔てなく接する。

そんなちひろの元に吸い寄せられるかのように集まる人々。彼らは皆、それぞれに孤独を抱えている。厳格な家族に息苦しさを覚え、学校の友達とも隔たりを感じる女子高生・オカジ(豊嶋花)。シングルマザーの元で、母親の愛情に飢える小学生・マコト(嶋田鉄太)。父親との確執を抱え続け、過去の父子関係に苦悩する青年・谷口(若葉竜也)。ちひろは、そんな彼らとご飯を食べ、言葉をかけ、それぞれがそれぞれの孤独と向き合い前に進んで行けるよう、時に優しく、時に強く、背中を押していく。

そしてちひろ自身も、幼い頃の家族との関係から、孤独を抱えたまま生きている。母親の死、勤務していた風俗店の元店長・内海(リリー・フランキー)との再会、入院している弁当屋の店長の妻・多恵(風吹ジュン)との交流・・・揺れ動く日々の中、この街での出会いを通して、ちひろもまた、自らの孤独と向き合い、少しずつ変わっていく。

これは、軽やかに、心のままに生きるちひろと、ちひろと出会う人々―彼らの孤独と癒しの小さな物語。

(公式サイトより)

 

 

©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014

 

 

海街に流れ着いた元風俗嬢ちひろの内面の孤独は人に気付かれることなく(唯一気付いているのは視力を失って感覚が研ぎ澄まされた多恵さんだけ)舞台となる街の、海の穏やかな波のようにまったりとした空気感を伴ってストーリーは展開していく。

 

 

2時間以上の尺の中で起伏の激しい場面はほとんどなく、ちひろを取り巻く人々のそれぞれの事情も深刻になるほど掘り下げておらず、淡々を流れていくところに逆にリアリティを感じた。

 

 

案外人生なんてこんなもんだよな、と妙に達観させられる作品であった。

 

 

鈴木慶一は最初気が付かなかったぞ。

そして、お弁当を食べるシーンで飲み物がなかったのはわざとなのかと気になったのだが、弁当の付け合わせのポテサラが妙に美味そうだった。

くるりの主題歌も70年代サウンドを彷彿とさせるサウンドでエンドロールによくマッチしていたと思う。

 

 

公式サイトはこちら

 

 

「ちひろさん」

監督:今泉力哉
原作:安田弘之
音楽岸田繁
主題歌:くるり
出演:有村架純/豊嶋花/嶋田鉄太/van/若葉竜也/佐久間由衣/長澤樹/市川実和子/
鈴木慶一/根岸季衣/平田満/リリー・フランキー/風吹ジュン
 

2023年製作/131分/PG12/日本
配給:アスミック・エース

 

 

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