邦画「ラーゲリより愛を込めて」 | 日々酒とメシと音楽と映画と読書

日々酒とメシと音楽と映画と読書

音と映像の業界に身を置いて30数年。
日々聴いてきた音楽、観てきた映画、読んだ本(コミック含む)の感想などをのんびりとゆるやかに書いています。
時々酒と旨い食べ物の話なども。

公開から既に2か月以上経過しても絶賛上映中。

そろそろ落ち着いてくるころだろうと思い、行ってきました。

それでもかなりの客入りでしたけどね。

 

 

 

【STORY】

第二次大戦後の1945年。そこは零下40度の厳冬の世界・シベリア…。わずかな食料での過酷な労働が続く日々。死に逝く者が続出する地獄の強制収容所(ラーゲリ)に、その男・山本幡男は居た。「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます。」絶望する抑留者たちに、彼は訴え続けた――

 

身に覚えのないスパイ容疑でラーゲリに収容された山本は、日本にいる妻・モジミや4人の子どもと一緒に過ごす日々が訪れることを信じ、耐えた。劣悪な環境下では、誰もが心を閉ざしていた。戦争で心に傷を負い傍観者と決め込む松田。旧日本軍の階級を振りかざす軍曹の相沢。クロという子犬をかわいがる純朴な青年・新谷。過酷な状況で変わり果ててしまった同郷の先輩・原。山本は分け隔てなく皆を励まし続けた。そんな彼の仲間想いの行動と信念は、凍っていた抑留者たちの心を次第に溶かしていく。

 

終戦から8年が経ち、山本に妻からの葉書が届く。厳しい検閲をくぐり抜けたその葉書には「あなたの帰りを待っています」と。たった一人で子どもたちを育てている妻を想い、山本は涙を流さずにはいられなかった。誰もがダモイの日が近づいていると感じていたが、その頃には、彼の体は病魔に侵されていた…。

 

松田は、危険を顧みず山本を病院に連れて行って欲しいと決死の覚悟でストライキを始める。その輪はラーゲリ全体に広がり、ついに山本は病院で診断を受けることになった。しかし、そこで告げられたのは、余命3ヶ月― 山本により生きる希望を取り戻した仲間たちに反して、山本の症状は重くなるばかりだった。それでも妻との再会を決してあきらめない山本だったが、彼を慕うラーゲリの仲間たちは、苦心の末、遺書を書くように進言する。

 

山本はその言葉を真摯に受け止め、震える手で家族への想いを込めた遺書を書き上げる。仲間に託されたその遺書は、帰国の時まで大切に保管されるはずだった…。ところが、ラーゲリ内では、文字を残すことはスパイ行為とみなされ、山本の遺書は無残にも没収されてしまう。山本の想いはこのままシベリアに閉ざされてしまうのか!?死が迫る山本の願いをかなえようと、仲間たちは驚くべき行動に出る――

 

戦後のラーゲリで人々が起こした奇跡―― これは感動の実話である。

(公式サイトより)

 

©2022 映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 ©1989清水香子

 

 

 

ロシア文学に惹かれロシア語を学んで革命にまで興味を持つほど傾倒していた山本がまさかその憧れの国で客死してしまうとはなんとも痛ましい話。

 

 

これが自分が生まれる10年ちょっと前の話だと知って驚いた。

「もはや戦後ではない」と日本が高度成長を遂げていく黎明期に、まだ逃れられない人々がいたとは。

 

 

山本の遺書を4人で分けて文章を暗記するという話が実話だというのもまた驚きだ(実際には6人で分担して、誰がどの文章を暗記していたかは分からないようになっていたらしい)

 

 

いつ帰れるかもわからず、下手をすれば日本語すら忘れてしまいかねない長期間の異国の抑留の中で何度暗記した文章を諳んじていたのだろう・・・。

 

 

どれだけ素晴らしい映画かということは、このご時世での興収24億超えが証明している。

二宮和也の代表作となるのではないだろうか。

北川景子も素敵に齢を重ねていますね。

脇を固める演技は俳優たちの助演も素晴らしい。

 

 

映画の公式サイトはこちら。

 

 

「ラーゲリより愛を込めて」

(2022年12月9日公開)

監督:瀬々敬久
原作:辺見じゅん
音楽:小瀬村晶
主題歌:Mrs. GREEN APPLE
出演:二宮和也(山本幡男)/北川景子(山本モジミ)/松坂桃李(松田研三)/中島健人(新谷健雄)/寺尾聰(山本顕一壮年期)/桐谷健太(相沢光男)/安田顕(原幸彦)/奥野瑛太/金井勇太/中島歩/田辺桃子/佐久本宝/山時聡真/奥智哉/渡辺真起子/三浦誠己/山中崇/朝加真由美/酒向芳/市毛良枝

 

2022年製作/133分/G/日本
配給:東宝

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ