能生の旧道沿いに連なる商店街。かつては北陸道の宿場町だったのだろうか。すでにシャッターを閉じた店もあるものの味わい深い風情がある。そう感じるのは若い方にもいるようで、リノベーションして店を開こうとする記事がインターネット上に散見する。

 

建物の間からふと見える海は、海なし県に暮らす者が憧れる風景だと言っても過言ではない。そんな海が身近な場所に住んでみたい。そうした願望は今なお、心のどこかに燻ぶり続けている。

 

能生の弁天島。子どもの頃に何度か海水浴に連れてきてもらった。その頃はもっと沖合いにあったと思っていたが、案外それが近かったのだと訪れるたびに感じる。海水浴場の上を通る国道はその頃からあって違和感はない。 

 

海釣りはすっかりご無沙汰している。一緒に行っていた仲間が親の介護で出掛けられなくなったことが要因だ。一人で出掛けるほど好きでもないので、知らず知らずのうちに離れてしまっている。でも釣りの時は、海をゆっくり眺める心の余裕はないのが現実だ。 

 

弁天島に建つ能生港灯台(写真)。以前、点灯を始める瞬間を見届けようと、夕暮れの時間にあの袂で待ち続けたことがあったのを思い出す。

 

さて、そろそろ店が開く時間だ。久比岐自転車道(写真)の近くにあるラーメン店「あさひ楼」の存在はつい最近知ったばかりだ。もう何年も自転車道を走っているのに、少し奥まった場所にあるとはいえ、行列ができるほどの店を知らなかったことに自分でも驚いた。 

 

あさひ楼の店の前。平日の開店時間とはいえ誰もいない。そういえば、先ほどの道に駐車場があったが1台も停まっていなかった。入口のドアには張り紙らしきものがあるが電気は点いている。定休日ではない曜日を選んで来たのに嫌な予感がする。 

 


大糸線臨時増便バスで糸魚川へ Vol.6に続く