私の父は,特別支援学校の教師でした.今はもう定年しました.

なので,家での様子から,特別支援教育がどの程度のものか,

推して知るレベルで知っています.

その上で言いたい.

私は特別支援教育を受けるべき人だったと.

 

27歳で自閉症スペクトラムと診断された私は,

高校受験で県内最難関の高校に合格しました.

497/500点でした.

高校1年の時も,学年1位のクラスで年間2位でした.

第3学期の試験は休んだので,

出席していれば難なく学年1位だったと思います.

思えばずっと学業で困ったことは別にないです.

 

統合失調症にかかった後でも,国立大学を一般受験し合格していました.

保護逮捕と精神病院への入院のため,1年留年しましたが,

学業自体で困ったことはなかったです.

 

でも,こう総括しても,

私にどんなに高い学力があるとしても,

高等教育や専門教育よりも,

発達障がいの診断と特別支援教育の方が

私には必要だったと,言えます.

 

私が破瓜型の統合失調症を患ったきっかけは,

その県内最難関の高校での学生生活です.

生徒の自主性を最大限に尊重した,教師の指導のない学校でした.

カウンセラーもいなかったです.(今はいるそうです)

健常者の生徒には,最高に自由な学校と感じるようですが,

私には校風が完全に合いませんでした.高校選びに失敗しました.

 

例えば,部活で弓道をしていました.

初年の初審査で初段に認定されましたが,

先生だったか先輩だったかに,魂がこもっていない,と言われ,

確かに私は魂がどこにあるんだろう,と思い,

段々と矢を射るのが怖くなり,筋肉に力がうまく入らなくなり,

ある日,4矢3失し休場したことをきっかけに引退しました.

10ヶ月ほど.人生初の挫折だったように思います.

 

それからは,自分はどこにいるのか,

といういわゆる自分探しを本格化するのですが,

授業外に自転車で市内を駆け回るなど,

規格外のものでした.

高校を転学し,美術学校に通い,哲学書を読み,

結局,統合失調症を発症しました.

当時の心労を思うと,人生で最も過酷なものでした.

 

私には,県内最難関の高校も,国立大学での教育も,不要でした.

というのも,結局,私が身についた勉強は,

講義でなく,独学したものだからです.

私,講義を聞いても,理解できないのです.

別に何も覚えても理解もできていません.

 

例えば,大学でプログラミングの実習がありましたが,

私は3回落第し,結局単位をとれていません.

就労継続支援で独学したからこそ,初めて身について

今,プログラマとして働けています.

大学時代の講義は少しも役立っていないと感じます.

 

もし私が特別支援学校で,マイペースに独学していても,

今の私の業務レベルには達していたと思います.

そうしていれば,統合失調症を負う必要もなかったですし,

人生のQoLが格段に良くなっていただろうと思います.

 

父も,それはすでに察しているようで,

学校で勉強に励むより,マイペースに心豊かに育ってほしい

と娘の孫たちに伝えているそうです.

私が反面教師のようです.

 

私のような発達障がいの人には,

早期診断と特別支援学校での教育が受けられる方が,

その後,大人になって自分の人生を歩めるのではないか

という私のメッセージです.