★1968年日産プリンススカイラインS54 菅原文太&輸出 ~ 自動車カタログ棚から 384 | ポルシェ356Aカレラ

ポルシェ356Aカレラ

★20世紀の自動車カタログ、鉄道車輛カタログ、玩具・模型カタログ、ビートルズ、ショパン、ヴィンテージ・ポルシェ、草軽電鉄 etc


★謹賀新年 2022年(令和4年)
 あけましておめでとうございます。
 旧年中は大変お世話になりました。
 本年も宜しくお願いいたします☆☆


★自動車カタログ
新春1回目は久々に自動車カタログの記事です。
2013年9月28日にUPした「自動車カタログ棚から」シリーズ 第177回記事でS54スカGカタログをご紹介した際には未入手だったためヤフオク出品画像を掲載した菅原文太のS54最終版カタログの現物がその後、入手できましたので今回は詳しくご紹介します。
併せて殆どが未紹介のS54輸出仕様のカタログについてもご紹介することとします☆☆


・・・・・・・・・・・・・・・・・


★S54スカイライン2000GT
1964(昭和39)年5月、第2回日本グランプリのホモロゲーション用に100台のみ生産された最初のスカイラインGT(S54-Ⅰ型)は日本グランプリ終了後、すぐに完売したと言われます。翌1965(昭和40)年2月1日、第2回日本グランプリのワークス仕様と同様にウェーバー製キャブを3連装し、住友ダンロップのフロント・ディスクブレーキを装着して内装もGT専用のスポーティーな意匠に変更したスカイライン2000GT(S54B-II型)が発売されます。これは限定生産車ではなかったものの、ウェーバーキャブの調達が間に合わないという裏事情からシングルキャブ版が1965年9月にスカイライン2000GT-Aとして約10万円安い価格で発売され、その際、ウェーバー3連キャブ版はスカイライン2000GT-Bの名称となります。
プリンス自動車と日産自動車合併後の1966(昭和41)年10月6日、フロントマスクを変えリアピラーにベンチレーターを追加するマイナーチェンジが行われ車両型式S54A-ⅢおよびS54B-Ⅲとなり、1968(昭和43)年8月に3代目スカイライン(ハコスカ)が登場するまで生産/販売されています。



★22歳の中村吉右衛門さんとスカイライン2000GT(S54⁻Ⅲ型)
日産プリンス広報誌「カートピックス」1967年3月号より。歌舞伎役者 二代目 中村吉右衛門さん(1944年5月22日-2021年11月28日)が、若い頃にS54⁻Ⅲ型の新車に乗っていたことを記録した貴重な記事。







★プリンススカイライン2000GT覆面パトカー
日産プリンス広報誌「カートピックス」1967年5月号より。この時期のカートピックスの表3(裏表紙の手前側)は毎号「特殊車アラカルト」と称して珍しい特装車両が掲載されています。既にS54-Ⅱ型の白黒塗装のパトカーを導入していた警視庁がS54⁻Ⅲ型の覆面パトカーを採用した旨が書かれています。迫り出る方式の赤色灯の室内の出っ張りが巨大です。記事ではナンバーは消されていますが、警視庁がS54の覆面パトを走らせていた貴重な記録です。



【1967-1968年 日産プリンス スカイライン2000GTB(S54B-Ⅲ型)実車 主要スペック】(1967-1968 Nissan Prince Skyline 2000GT Typ.S54B-Ⅲ Specification)
全長4235㎜・全幅1510㎜・全高1405㎜・ホイールベース2590㎜・車重1095kg・FR・G7型水冷直列6気筒SOHC1988cc・最高出力125ps/5600rpm・最大トルク17.0kgm/4400rpm・キャブレター:ウェーバー3連・前ディスクブレーキ・変速機4速MT・電装系12V・乗車定員5名・最低地上高155㎜・最小回転半径5250㎜・燃料タンク容量99ℓ・ゼロヨン17.8秒・最高速度180km/h・東京渡現金価格94万円



★1968年4月発行?日産プリンス スカイライン2000GT 本カタログ(縦305×横249㎜・表裏含め24頁)
通称・菅原文太カタログ。恐らくハコスカにフルモデルチェンジする少し前の1968年の春頃の発行と思われます。文太兄ぃのカタログと言えば、はるな愛と出演した晩年の2013年スズキキャリイ軽トラ野郎が記憶に新しいですが、このカタログは1933(昭和8)年8月16日生れの文太兄ぃ34歳の頃の撮影と思われます。歴代スカイラインのカタログの中でも極端に現存数が少ないことから、配布期間が短く印刷部数も少なかったのものと推定できます。近年の絶版カタログ市場での評価額は15~20万円程度で推移しています。


表紙(右側)と裏表紙(左側)が一続きの写真


















羊の皮を捨てた「狼」の全貌








運転席図解










スカイライン2000GT-B 栄光の記録






レースに参加なさる場合


スペック


三面図




★1966年~1968年スカイライン2000GT(S54)輸出向けカタログ 4種  
何れもA4判、2つ折で日産/プリンス合併後のⅢ型の日産自動車が発行した輸出向けカタログ。プリンス時代のⅡ型の輸出向けカタログは未確認。



●輸出1)1966年10月? PMC PRINCE A200GT 輸出向けカタログ(A4判・2つ折)
車両型式:(L)S54AE。英文。左ハンドル車の画像が掲載されています。









●輸出2)1966年12月 PMC A200GT 輸出向けカタログ(A4判・2つ折)
車両型式:(L)S54AE。オランダ語版。基本的には上掲の輸出1の言語違いながら、車名からPRINCEが消えています。このカタログのみ発行年月が印字されています。




裏面にはオランダ・デンハーグのディーラー名等が印刷されています。



●輸出3)1967年? NISSAN SKYLINE GT 輸出向けカタログ(A4判・2つ折)
車両型式:(L)S54AE。英文。上掲の輸出1・2と似た構成のカタログながら、車名からPMCが消え、日産スカイラインGTとなっています。









●輸出4)1967年? NISSAN SKYLINE GT 輸出向けカタログ(A4判・2つ折)
車両型式:S54BE。英文。このカタログのみウェーバー3連のS54B。フェンダーミラーはないものの国内向けと同じ右ハンドル車の画像が掲載されています。










【参考1: 三共模型 1/24スケール プリンス スカイライン2000GT プラモデル(完成品)】
当時物としては唯一のS54の立体造形物。箱サイズ:縦170×横285×厚さ47㎜。本体全長約175㎜。当時定価250円。画像の個体は成形色のままの素組完成品。1970年代後半に日産プリンスが歴代スカイラインやR380等のレーシングカーと共に1/30スケールのアンチモニーモデル、1980年にカドー玩具が1/43スケールのホワイトメタルミニカー、1980年代後半にエルエスが1/32スケールのプラモデルなど、後年になって往年の名車としてポツポツとモデル化されるようになります。
















運転席


シャシー裏


組立説明書




【参考2: 日産プリンス スカイライン2000GT S54B-Ⅲ型の立体造形物】
菅原文太カタログと同じⅢ型のモデルとしてはアドバンスピリットの1/43スケールアンチモニー製ミニカーとエルエスの1/32プラモデルがあります。大半のモデルはⅡ型をモデル化している中で貴重な存在です。アドバンスピリットのⅢ型はレーシング仕様等多数のバリエーションが出ています。画像では青メタと消防指令車がⅢ型。













★オマケ(その1): 懐かしの商用車コレクションVol.27 
1/43スケール1978年トヨタハイラックス郵便車仕様

2021年12月28日発売の新製品。税込1999円。ドアの便乗禁止の文字や川崎ナンバーなどレタリングが良い感じです。1970年代には便乗禁止と書かないと強引に郵便車に便乗する人が居たのでしょうか。
















★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Free as a Bird」 1995
ジョンの未完曲を残った3人で仕上げた1曲。ビートルズマジックを感じさせます。この曲のリリースから既に四半世紀以上とは時が経つのは早いものですne☆