★1969年スズキ 韋駄天キャリイ ジウジアーロ・エロスの時代 ~ 自動車カタログ棚から 134 | ポルシェ356Aカレラ

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★浜松市に本社を置くスズキ(Suzuki Motor Corporation))は、1909年(明治42年)に自動織機メーカーとして創業したが、織物産業の衰退から他業種への転身を図り、1951年(昭和26年)から試験的に二輪用エンジンの生産を始め、追って二輪完成車を製品化、次いで1955年(昭和30年)には前輪駆動方式2サイクルエンジンの軽自動車スズライトを完成させ発売した。その後、1961年(昭和36年)10月に軽ボンネット・トラック(1964年にバンも追加)の初代「キャリイ(CARRY)」FB型を発売、1965年(昭和40年)5月に2代目ボンネット・トラック/バンのキャリイL20型にフルチェンジさせ、翌1966年2月には1ボックスタイプの3代目・丸目キャリイL30型が追加されてL20型と併売された。そして、1969年(昭和44年)7月にはジウジアーロデザインによる4代目キャリイ(L40型・三方開きL41型)、同年9月にキャリイ・バン(L40V型)がデビューした。

★4代目スズキ キャリイ(L40型)のオリジナル・デザインは、革新的なカーデザインで世界の注目を集めていた鬼才ジョルジェット・ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro; 1938年8月7日-)に依頼された。カロッツェリア・ベルトーネのチーフデザイナーであったジウジアーロが ベルトーネから独立して1968年(昭和43年)に自らの新しいデザイン会社「イタル・デザイン」を設立して初めて手掛けた量産車がキャリイであった。ジウジアーロ、30歳の時のことである。イタル・デザインをジウジアーロと共に立ち上げた人物とスズキ側に、とある人脈があってスムースに話が進んだという。ジウジアーロがデザインしたのは、初めに市販されたトラックではなく、前から見ても後ろから見ても同じようにウインドが傾斜した「前後対称デザイン」のバン。オリジナルスケッチはジウジアーロ・サイドでは「プルミーノ」(小さなバン)と呼称した作品で、前後ウインドが同じように傾斜したデザイン、3列シート、スペアタイヤ収納への工夫などスズキ版フィアット・ムルティプラ600(Multipla)と言えるようなコンセプトのクルマに仕上げられた。

1969年(昭和44年)7月にデビューした4代目キャリイL40型は1970年にフェイスリフトをしてフロント部分をブラック・アウトした後、1971年に当初の25psを27psにパワーアップし、1972年(昭和47年)5月には5代目キャリイL50型にバトンを渡して3年弱という短いモデルライフを終えた。トラックはともかく、リアウインドの傾斜が強いバンでは同クラス他車に比べて収容能力・使い勝手が明らかに劣り、人を運ぶワゴン的な使用より商店等での荷物運搬のための実用に供される機会が多い日本の軽商用バンとしては商業的には失敗に終わった。また、バンでは室内前席背後に配置されたスペアタイヤとウォッシャータンクの収納スペースを利用して設置された灰皿付の比較的広い室内固定式テーブルが大きな特徴であり、これを利用したキャンピングカー仕様もバンの2万円高で販売された。1971年登場のスズキ・フロンテ・クーペ(本シリーズ113回目の記事でご紹介)のオリジナル・デザインも同じジウジアーロであるが故にキャリイL40型とフロンテ・クーペは顔つきが良く似ていた。なお、4代目キャリイは足の速さを意味する「韋駄天キャリイ」のコピーで売られ、1970年代初頭のミニスカート全盛の時代を反映して軽商用車としては現在では考えられない程のとても色気のあるカタログが多いのが特徴。
4代目キャリイの3年弱のモデルライフにおける生産台数はトラック20万7000台、バン2万6000台とバンはトラックの10分の1程度の少量であった。

【主要スペック】 1969年 スズキ キャリイ バン 5ドア(L40V型)
全長2990㎜・全幅1295㎜・全高1575㎜・ホイールベース1745㎜・車重595kg・空冷2サイクル2気筒359cc・最高出力25ps/6000rpm・最大トルク3.4kgm/5000rpm・4速コラムMT・乗車定員4名・最大積載量200kg(4人乗車時)・最高速95km/h・販売価格37万6000円

●1970年?月発行 スズキ キャリイ 360 リーフレット (B4判・1頁)
この時代の鈴木自動車の印刷物には発行年月の印字がなく推測するしかないのだが、フロントグリルがブラックアウト化され出力はまだ25psなので1970年型。とても足の綺麗な色っぽいお姉さんは当時20歳前後としても43年の時を経ているので現在は既に還暦を過ぎていらっしゃるはず。
$1959PORSCHE356Aのブログ-69年リーフレットミニスカ(トラック)

●1970年?月発行 スズキ キャリイ バン360 リーフレット (B4判・両面2頁)
$1959PORSCHE356Aのブログ-69年リーフレット林(バン)

●1969年7月発行 スズキ キャリイ トラック 本カタログ(A4判・8頁)
$1959PORSCHE356Aのブログ-69年トラック表紙
※中頁から
軽トラとは思えない木目貼りダッシュボードが標準
$1959PORSCHE356Aのブログ-69年トラック中頁木目ダッシュボボード

●1969年9月発行 スズキ キャリイ バン360 本カタログ(A4判・4つ折8頁)
$1959PORSCHE356Aのブログ-69年バン表紙1
$1959PORSCHE356Aのブログ-69年バン表紙2

※中頁から
ドアは後ろサイドも非スライド式
$1959PORSCHE356Aのブログ-69年バン1中5ドア非スライド
本当にトランプが出来そうな広いセンターテーブル付。テーブルの下はスペアタイヤ収納スペース。
$1959PORSCHE356Aのブログ-69年バン2中テーブルトランプ


●1970年?月発行 スズキ キャリイ トラック 本カタログ(A4判・16頁) 
お色気ムード全開のカタログ。とても軽トラのカタログという感じがしない。フロント・グリルはブラックとなったが、この時点ではまだエンジン出力は当初の25psのまま。
$1959PORSCHE356Aのブログ-70年ミニスカ表紙

※中頁から
$1959PORSCHE356Aのブログ-70年ミニスカ1中
この70年型から木目計器盤をメイプル材(かえで)に変更。軽商用車としては異例に豪華な内装。
$1959PORSCHE356Aのブログ-70年ミニスカ2中メイプルダッシュボード
トラックのグレードはスタンダードとメッキバンパー・ラジオ・ライター等の付いたスーパーデラックスの2種。
$1959PORSCHE356Aのブログ-70年ミニスカ3中グレード2種
荷台は後ろ側一方開きと三方開きの2種。
$1959PORSCHE356Aのブログ-70年ミニスカ4中・荷台2種

●1971年?月発行 スズキ キャリイ トラック 本カタログ(A4判・16頁)
25psから27psにパワーアップ。71年版カタログの表紙には何れも「POWER UP」の文字が入る。
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年トラック表紙パワーアップ
※中頁から
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年トラック1中街中写真
グレード/荷台バリエーション構成:キャビンと荷台を隔てる「鳥居」付が追加。
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年トラック2中バリエーション鳥居付入

●1971年?月発行 スズキ キャリイ バン360 本カタログ(A4判・8頁)
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年バン表紙

※中頁から
70年代ムード全開。バンは前ドアより後ドアの方が遥かに幅が広いのが判る。
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年バン1中後ろドア広い真横
車内でトースト、コーヒー、煙草、至福の一時・・・。
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年バン2中テーブルトースト
キャンピング仕様にはボディサイドに専用ストライプが入る。
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年バン3中キャンプ(1)
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年バン4中キャンプ(2)

●1971年?月発行 スズキ キャリイ パネルバン 専用本カタログ(A4判・8頁)
密閉型鋼製コンテナ搭載のパネルバン
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年パネルバン表紙
※中頁から
$1959PORSCHE356Aのブログ-71年パネルバン中頁



★オマケ(その1): 1970年 スズキ キャリイ テレビCM




★オマケ(その2): 1970年大阪万博スズキキャリイ・パトロール車
大阪万博の会場施設パトロール用に鈴木自動車と湯浅電池(現GS YUASA)が共同開発したキャリイ・バンベースの電気自動車を復元した車両(浜松市のスズキ歴史館所蔵)。※WebCG画像より
$1959PORSCHE356Aのブログ-キャリイ電気自動車(1)
$1959PORSCHE356Aのブログ-キャリイ電気自動車(2)



★オマケ(その3):  NEW YEAR MEETING に現れたジウジアーロ キャリイ2台 
(2013年1月/お台場・船の科学館前にて)
$1959PORSCHE356Aのブログ-ジウジアーロキャリイ



★オマケ(その4): IXO製 1/43スケール 1969年 スズキ キャリイ バン 5ドア
ダイキャスト製。定価1790円。4代目キャリイのミニチュア製品は、この2011年8月に全国の書店で発売されたアシェット・コレクションズ・ジャパン「国産名車シリーズ Vol.146」1台のみ。20頁の解説書が付属。これは何台か買ってあるので、1台はルーフを切ってトラック仕様にしたいところ。2006年1月に始まったこの書店売りの国産名車シリーズはVol.1のスバル360から全て定期購読してきたのですが、2013年5月1日に発売されたVol.192で既に7年4ヵ月を越えています。このシリーズ、一体全体いつまで続くのでしょう。2週間に1台が解説書と共に大きな箱に入って届き、忙しさにかまけて開封もしないでずっと積んで置いておいたら、いつの間にか何と6畳間が一部屋完全に埋まってしまっています(汗)
そこで、このキャリイのように、このシリーズ以外にはミニカーが存在しないような車種を除いて売却してしまおうと思い某専門店に尋ねたら、「国産名車の書店での新品定価は1台1790円でも中古としての売値は315円~525円なので買い取り価格は1台100円均一になります」と言われて唖然。気に入った車種は同じものを2台買ったものもありますが全て1台ずつとして計算しても、これまで1790円×192台=34万円以上を使って集めたものなのに買取り価格が100円×192台=19200円では売るに売れないという気がしてちょっと困っています。これまで十分に手に取ったり飾ったりして値段分位は楽しんだという訳でもなく、単に買ってきて積んでおいただけなので(汗)。仕方がないので地方に持っている倉庫に移動して当面暫くは保管するしかないかな。そして、現在でもヤフオクなどでは非常に出来の良かったこのシリーズの初代センチュリーやプリンスホーミーなど車種によっては書店での新品定価以上で売買されているミニカーがあるようなので、定年退職でもしたらゆっくりと売っていこうかなあ(笑)
$1959PORSCHE356Aのブログ-ミニカー(1)
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$1959PORSCHE356Aのブログ-ミニカー(3)
この通り箱が大きいので箱のまま置いておくと、すぐに部屋が山になります。
$1959PORSCHE356Aのブログ-ミニカー(4)

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