8/18(日)降っても晴れても台湾一周の旅 5日目〜その4~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 ベッドに寝転んで、明日の飛行機のオンラインチェックインなどを済ませます。今夜が台湾最後の夜。台湾らしく今日も夜市を覗くか、それともどこかの店に出かけるか考えていると、さっきのマレーシア人の男性が、
「この店がオススメだ」
と、スマートフォンの画面を見せてきました。
「なんか私、外国人に話しかけられる率、高くないか」
 振り返ると、若い頃からそうでした。海外には目が行かず、もっぱら日本国内を旅していた頃。同じ宿に泊まった確かオランダ人2人組と一緒にちゃんぽんを食べに行ったこともあったし、夜の飲み会で盛り上がり、みんなで一緒に日の出を見に行った韓国人もいました。外国語ができる人ならともかく、TOEICどころか英検すら受けたことがない私。ですが、ちょっとした英語のやり取りで仲良くなり、そこで色々なことを教えてもらったり、よくしてもらったりすることがあります。出会いというのは偶然で、選ぶことができません。でも、私の旅では素敵な出会いがたくさんあります。先ほどのマレーシア人の男性にも感謝しなければならない、そんなことを思うのでした。
 少し休んで体力を回復させたら、17:00頃に宿舎を出発。中山站から緑のラインカラーのMRT松山新店線に乗って、松山站に向かいます。最初に台湾に来たとき、「そのうち来ればいいや」と思いながら通り過ぎてしまった松山の饒河街觀光夜市にリベンジしようと思うのです。


 17:32頃、松山站に到着。夜市は駅から歩いてすぐのはずです。


 すると、夜市の入り口近くに松山慈祐宮という寺院が見えました。入り口には大きなテントが設置されていて、「松山慈祐宮中元盂蘭盆会勝會」と書かれていましたが、今日は8/18。
「もしかして、旧暦か?」
 調べてみたところ、2024年の旧暦盆は8/16から8/18。ちょうどいいタイミングで来たものです。そういえば、沖縄のお盆も旧暦でやると聞いたことがあります。地理的にも近い台湾と沖縄。文化の面で共通する部分もあるのかもしれません。


 夜市へ向かうと、入り口には大きな門が建っていました。たくさんの人で賑わい、胡椒餅をはじめ、いろいろな食べ物の匂いがしてきます。


 さらに歩いて行くと、ゲームで遊んでいる子どもたちの姿もたくさん見かけました。これぞ夜市、何か買ったり食べたりしなくても、歩いているだけで楽しい気持ちになってきます。


 結局、饒河街觀光夜市を端から端まで歩いただけで満足してしまいました。さっき食べた湯包で、まだお腹が満たされていたせいもあるのかもしれません。


 最後に、ライトアップにはまだ早いのですが、基隆河に架かる彩虹橋を観に行きます。対岸の上空を、近くにある台北松山空港を離陸した飛行機がぐんぐん上昇していきます。明日はもう、日本に戻らなければなりません。
「長いようで短い台湾の旅だったな」
と、まだ終わってもいないのに、そんなことをつい思ってしまうのです。
 松山站へ戻り、18:30すぎのMRTに乗って中山站へ。今度は、宿舎の近くにある寧夏夜市を覗きます。こちらもすごい人。歩くだけでも大変です。
 台湾に来て、どうしても食べたかったのが臭豆腐。あの独特な匂いがダメな人も多いと聞きますが、私は大好物です。


 お店で注文すると、お店のおっちゃんがカタコトの日本語で返事をしてくれました。これをガヤガヤとした夜市の喧騒の中で食べるのがいいのです。
 もっとも、臭豆腐には揚げる以外の食べ方もあり、この揚げ臭豆腐はどちらかといえばクセがなく食べやすい食べ方だという話も聞きます。次はぜひ、煮込んだ臭豆腐にも挑戦してみたいものです。


 臭豆腐だけではお腹がいっぱいにならないので、さらに夜市を歩いて何かお腹にたまりそうなものを探します。麺やごはんはないだろうかと思って見たところ、店先に山盛りのビーフンを見つけました。
 注文すると、お店のおばちゃんから、「これはどうだ?」といった感じで、何かのスープも勧められました。
「これは何だろう」
 メニューにあるのは、米粉炒と生炒魷魚焿と白滾魷魚。一応、その下に日本語が書かれていて、米粉炒は「焼きビーフン」。その下の生炒魷魚焿は「イカフライ」と書かれています。


「これも違うな」
と思ったのですが、英訳を見ると「Fried Squid Soup」と全然違うことが書かれているではありませんか。念のため、もう一つの白滾魷魚は「イカの煮物」。この料理も煮物と言えなくもなさそうですが、やはりスープと言われて方がしっくりきます。後から考えれば、高雄の夜市で食べた𩵚魠魚焿の「焿」の字が入っているので、とろみがあったスープにも納得です。


 店のおばちゃんは、店先にあったスープが少なくなると、裏手にまわって調理が始めました。その火力のすごいこと。あれを見ると、美味しいのも当然かと納得してしまいます。それを毎晩こうしてやっているのですから、そのエネルギーはどこから来るのかと驚くばかりです。


 大満足で宿舎のビルに入ろうとすると、中東系っぽい顔立ちの男性が私の前にいて、ガードマンにドアを開けてもらって中に入っていきました。
「私もです」
といった感じで、後に続きます。
 ともあれ、今回の台湾の旅も大満足。
「やっぱりいいところだったなあ」
と思いながら、そろそろ休もうかとシャワーの準備をするのですが……、あれ、石鹸箱がありません。大学時代から愛用している石鹸箱です。
 最後に使ったのは、礁渓の共同浴場です。あそこできっと、風呂上がりのビールが飲めるとウキウキしていた私は、石鹸箱を置き忘れてきてしまったのです。
「なんということだ……」
 忘れてきてしまったことはショックなのですが、仕方ありません。どのような形であれ、いつかはお別れのときが来るもの。
「今までいろんなところに連れていってもらったな。ありがとう」
 そんな気持ちを込めて、静かにシャワーを浴びたのでした。