5/4(土・祝)温故知新 お久し振りの京都の旅 1日目~その2~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 ゲストハウスから東寺は目と鼻の先。世界遺産でもある東寺なのですが、そもそも東寺とは何なのか。実は、私はよくわからずにやってきました。


 そこで東寺のサイトを開いてみると、「東寺は、唯一残る平安京の遺構です。」とあります。平安の都、京都の街歩きのスタートにふさわしい場所です。
 宿の前の九条通をまっすぐ進んだところにある南大門から境内に入ると、真正面に金堂が見えました。東寺の本堂です。すでにこの時点で、この寺のスケールの大きさに圧倒されてしまいます。


 東寺の五重塔は、高さおよそ55メートル。日本で一番高い五重塔だそうです。1644年(寛永21年)に再建されたとありましたが、京都では江戸時代に建てられたものでも、まだまだ新しい部類なのかもしれません。なにしろ、この寺が建立されたのは796年(延暦15年)。「鳴くよ(794)ウグイス平安京」の2年後なので、まさに平安の時代から続くお寺なのです。


 境内のあちこちに、国宝や重要文化財があります。たくさんありすぎて、それらが貴重なものだと感じられないほど。これこそ、京都の底力と言ってよいでしょう。


 ちょうど今、春の特別拝観の期間であることを知らせる立て看板があり、それに合わせてなのかどうかはわかりませんが、五重塔特別拝観もできるようです。


 五重塔に入るのに800円。これで、金堂と講堂にも入れるのですが、宝物館と観智院にも入れる共通券は1,300円です。500円プラスするべきかどうか、少し悩んでしまいます。しかし、久しぶりの京都。それを満喫するために、1,300円は必要経費に計上してよいでしょう。共通券を買い求めて、いざ、五重塔へと向かいます。


 遠くから見る五重塔はもちろん素晴らしいのですが、五重塔の周りは庭園になっていて、こちらから眺めると、さらに素晴らしい。庭の新緑の中に、もみじの花が咲いていて、そこに五重塔がそびえ立つ。まさに初夏の京都を満喫といった風情なのです。
 五重塔の内部は撮影禁止なのですが、観光客はみんな、大日如来とその周りの四尊の如来、八尊の菩薩を見上げていました。しかし私の興味は、その台座の下にある心柱。東京スカイツリーを建てるときにも使われたその技術が、ここにもちゃんとあるというのをまじまじと観察するのでした。


 その一方で、金堂や講堂の中におられる仏さまは、ちらりと見ただけで通りすぎてしまいました。なにしろ登場人物が多すぎて……、というのは言い訳で、仏教について、きちんと勉強ができていないのです。
 実際に、修学旅行なんかで寺社仏閣を訪れると、さっと通り過ぎるだけで終わってしまいます。私も、高校の修学旅行で京都を訪れました。清水寺や宇治の平等院を訪れた記憶はあるのですが、それがどうだったか、そんなことはまったく覚えていません。なにしろ、自分で勉強しようと思って行ったわけではないのです。どんな仏さまがいらっしゃったのか、どんな由緒のある寺社だったのか。それを意識して見学をする生徒はどれだけいるのでしょう。
 けれども、ある程度の知識があれば、見学することで勉強の楽しみを味わうことかできます。
「仏教について、もう少し勉強したら、もっと楽しめるかなぁ」
 そんなことを考えてみるのでした。
 ここ、東寺は真言宗のお寺。真言宗といえば弘法大師です。
 有料エリアの外側に、御影堂という建物がありました。こちらが、ここの大師堂のようです。


「ここにもちゃんと、大師堂があるのか」
 以前、四国八十八ヶ所霊場を巡ったお遍路の旅を思い出していました。お遍路の霊場にはどこも大師堂があり、本堂と大師堂の両方にお参りするのがならわしだったのです。
 ここでは今でも毎日、弘法大師がいらしたときと同じように、一の膳、二の膳、お茶をお出ししているとのこと。こんなところでもお大師さまとご縁があるというのは、なんともありがたいことだた感じます。
 しかし、東寺に来て何より驚いたのは外国人の多さです。日本各地の観光地で外国人が増えていることは知っていましたが、ここまでとは思いませんでした。どこを歩いても、外国語を聞かないことがないくらいなのです。
 でも、それもわかる気がします。ここは、日本の中でもかなり特別な場所。境内の風景はきっと、昔から変わっていないのでしょう。日本人の私がそう思うのですから、外国人にはもっと魅力的に見えるに違いません。
 宝物館をさらりと見学し、次は観智院という離れた建物へ。東寺の公式サイトによると、「北大門から北総門までの参道は、櫛笥小路(くしげこうじ)といい、平安時代以来そのままの幅で残っている京都市内ただひとつの小路です。その小路の東側に建つのが、観智院です。」とありました。確かに、風情のある通りです。今のように自動車が走っていなかった時代、人々はこんな道を歩いていたのかと思うと、昔の人々が少しうらやましくなります。


 観智院に入ると、建物内は撮影できないものの、建物から見た外の景色は撮影しても構わないとのこと。
「そこまで勧められるというのは、どんな景色なのだろう」
 そう思いながら廊下を進んでいくと、そこはまさに和の景色。緑鮮やかに木々が生い茂り、爽やかな風が吹き抜けていく。なんとも居心地のよい空間です。観光地にありがちな居心地の悪さは微塵も感じない。「しばらくここにいたい」、そんな風に思える場所があったのです。