とうとう、嘘つきと | ロンドンつれづれ

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気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

 

オリンピックは見ていないので、ニュースで読むだけだが、色々と英語圏の報道でも問題点が指摘されている…。

 

今日は、トライアスロンの競技でスタート時の選手たちの前に運営側のボートが立ちふさがっており、一部選手が跳び込めなかった、と。 しかし、人間が泳ごうという場所にモーター付きのボートを至近距離まで寄せるとは、危険極まりない。  BBCでは「非常識」と報道していた。

 

Tokyo Olympics: GB's Alex Yee wins silver in men's triathlon as Kristian Blummenfelt takes gold - BBC Sport

 

そして、かねてから指摘のあった水質汚染の話…。 

 

Tokyo 2020’s worrying water quality a concerning issue that threatens to rain over Olympic parade | The Independent | The Independent

 

今年の7月に入ってからも、海外では水質が疑問視されていた。写真で見るだけでも、あまりにも汚い緑色の水…。記事では「オリンピックまでもう何日もないのに、東京湾の水は悪臭が漂う」と書かれている。

 

Olympic Triathlon 2020: Tokyo Bay Water Quality in Question - Bloomberg

 

そしてそれが改善しないまま、当日が来てしまった。 緑褐色の水の中で泳ぐ選手たち。

 

 

 

あまりの暑さに倒れる人や嘔吐する人が報道された。 タイトルは、「日本のオリンピック運営組織では、日本の夏の天候について嘘をついていた。そして嘘の代償を支払わされているのは、アスリートたち…」

 

 

 

そう、招致の時には「日本の7月は温暖で快適な気候です」って言ってましたな。

 

日本人なら、それは嘘だってことは重々知ってましたが…。 そして日本に住んだことのある人、あるいは夏に観光に来た人なら、「温暖」なんてマイルドな暑さじゃないことは分かってますが、招致した人たちは、確かに嘘をつきました。

 

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記事では:

 

「男子トライアスロンのゴールは戦場の様相だった。地面には多くの人が横たわり、他の選手は駆けつけた人々の肩を借りなければ歩けない状況だった。暑さを考慮し早朝6時半に始めても、この状況で、この高気温と高湿度では暑さへの対策にはならなかった。

 

もちろん日本人は天気について謝る必要はない、焼けつくような太陽、信じられない気温、豆のスープのように息苦しい湿度。自然には勝てない。しかし、アスリートがこのように苦しんでいる状況に対し、日本人は真っ赤な嘘をついたことの謝罪が必要だ。彼らは「この時期は温暖で快晴の日々が続き、アスリートが良い演技をする理想的な天候」と招致の際に言ったのだ。 温暖?理想的?7月の東京で?

アーチェリーの選手からボランティア、オフィシャルスタッフまで暑さで失神している。テニス選手も文句を言っている。日中35度近くなることも当たり前、高い湿度と相まって耐えられないトロピカル気候だ。テニスやビーチバレー、サイクリングの選手はこういう状況にさらされている。」
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そもそも7-8月の日本でオリンピックができると思うなんて、あまりにも非常識で、こうなることは一般人の私たちだってわかっていたのだ。 なぜ真夏の日本なのか。 前回の東京オリンピックは10月だった。 このところオリンピックが夏に開催されるのは、アメリカで人気のバスケットボールや野球などが秋に行われるからだそうである。 それとかち合わないために、オリンピックを夏にするようである。

 

 

平昌のフィギュアスケートの時も問題になったが、アメリカのテレビ局、NBCが、アメリカ国民に都合の良い季節、そしてアメリカのゴールデンタイムに高い視聴率を取るためにオリンピック競技のスケジュールに介入するようになって、IOCの「アスリート・ファースト」がまったくリップサービスだということがわかるようになった。 IOCは一番たくさんお金を出してくれるアメリカのテレビ局の言うなりになっている、ということが…。

 

10月であれば、だいぶ陽の強さも収まってくるが、7月後半から8月にかけては、日本ではおそらく一番気温が上がる時期だろう。そんな時に炎天下、何時間もテニスをさせたり、走らせたりすることは、参加選手の命にかかわる。

 

そういうことを、二の次にして色んなことを決めてきているから、今回のような失態になるのだ。 熱中症は命に係わる問題なのだ。 軽く考えていてはいけない。

 

国民が、政治家よりもごく普通の常識や良識で意見をいっても、専門家が専門知識や科学的見識でアドバイスをしても、聴く耳をもたない。 自分たちの得になることや、自分たちに金を回してくれる人たちに都合の良いことをまず優先する。 理念も哲学も倫理観も感じられない。 そういう人たちが政権を握っていたり、意思決定をする組織のトップにいるから、いろんな問題が多発し、不祥事が起きる。

 

オリンピックは開催してしまえば、国民は結局、スポーツの持つ力に感動して、ああ、やっぱりやってよかったな、ということになり、政治家として自分の手柄になり選挙は成功する。 

 

そう思っている人たちの、思うつぼにハマらないように、選手たちの頑張りへの応援と、政権や運営の不始末の問題追及とは切り離して考えなくてはならない。

 

 

あ~!やっぱりオリンピックっていいなあ、感動するなあ!と目がくらんで喜んで、ここに至るまでの不祥事や不手際、不始末をチャラにするのは間違っている。 そしてスポーツを楽しんでいる陰で、今はほとんどニュースにならないが、東京のコロナの感染者は先週の月曜日のほぼ2倍になっている。 そして「重症者が減っているから感染者の数なんて見なくていい」という人たちは、東京ではある時期から重症者のカウントの仕方を変えたことを見落としている。 

 

全国での数え方と違い、東京都ではエクモを使うぐらいでないと、もう重症者とカウントされていないのだ。そして死亡者は、保健所を通していない場合カウントしていないそうである。

 

「死者重症者の減少」のウソっぱち | 社会毒の変 (ameblo.jp)

 

 

嘘と隠ぺいで、政府からごまかされることに慣れてきている日本人だが、オリンピックでよそを向いているうちに、終わってみたら凄いことになっていた…というリスクを忘れないように。

 

ここ20日ぐらいのあいだに、東京に住んでいる私の友人の息子や娘が次々とコロナに感染したという話が届いている。 こんなに身近なところで30代の若い人が感染、しかも濃厚接触者としてではなく、突然発症し、経路不明。

 

やっぱり侮っていてはいけない。 とくに、日本ではまだワクチンが行き渡っていないのだから。

 

 

 コロナの話はもうたくさん、という気持ちはよくわかる。スポーツを見て、パーッと景気よく盛り上がりたい気持ちもある。しかし、警戒は解かないほうがよいのだ。イギリスでも大きなイベントのあとは明らかに死亡者が増えている。

 

 

オリンピック関連の感染者、26日までで148名だそうである。

 

オリンピック 新型コロナ 選手3人含む16人の感染明らかに | オリンピック・パラリンピック | NHKニュース