【タイトル】
ロード・オブ・ザ・リング(原題:The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring)
【概要】
2001年のニュージーランド/アメリカ合作映画
上映時間は178分
※スペシャル・エクステンデッド・エディションは208分
【あらすじ】
闇の冥王サウロンは世界を滅ぼす魔力を秘めた指輪を作り出した。指輪の力によって支配された中つ国では1人の勇者がサウロンの指輪を切り落としたことで国を救った。それから長い時を経て、その指輪はホビット族のフロドの手に渡るが、その指輪を求めてサウロンの手下が目の前まで迫ってくる。
【スタッフ】
監督はピーター・ジャクソン
音楽はハワード・ショア
撮影はアンドリュー・レスニー
【キャスト】
イライジャ・ウッド(フロド)
ショーン・アスティン(サム)
イアン・マッケラン(ガンダルフ)
ヴィゴ・モーテンセン(アラゴルン)
オーランド・ブルーム(レゴラス)
ジョン・リス=デイヴィス(ギムリ)
ショーン・ビーン(ボロミア)
ケイト・ブランシェット(ガラドリエル)
クリストファー・リー(サルマン)
ヒューゴ・ウィーヴィング(エルロンド)
リヴ・タイラー(アルウェン)
イアン・ホルム(ビルボ)
【感想】
J・R・R・トールキンの「指輪物語」の第1部「旅の仲間」を原作にした3部作の1作目。全世界で8億7千万ドルを超える大ヒットを記録し、アカデミー賞でも撮影賞など4部門を受賞した。
オープニングでは8分かけて、ビルボに指輪が辿り着くまでを描いている。まず、ここまでを8分かけたダイジェストで省略してしまわなければならないところに無理を感じてしまう。すべて描けとまでは思わないが、この指輪の力を観客に説明するには短すぎる気はする。それに、この物語独自の言葉もたくさん出てくるし、そもそも登場人物だって多い。そう考えると、スペシャル・エクステンデッド・エディションの方がやや親切だとは感じる。
また、旅をする映画なのだから、登場人物たちがどこからどこへ向かっているのかは、途中で地図を見る場面を挟むなどしてくれると助かる。特にフロドとガンダルフは一度離れ離れになるわけだし、どれくらい離れた距離を移動したのかは分かりやすく明示しても良かったと思う。
そして、比較的CG満載の映画でもあるが、アクション演出に関しては良くも悪くも癖のない演出で印象に残らない。主に剣術と弓矢が使われるのだが、ファンタジー映画にしてはオーソドックスな演出である。
この1作目では、ガンダルフとボロミアが死ぬことになるのだが、「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002)」の冒頭でガンダルフが生きていることは観客には早々にバラしている。ガンダルフの死は観客にも大きな喪失感を味合わせることができるが、ガンダルフが死んだ後に1作目が終わって、2作目で生きていましたって展開はかなり卑怯だと感じる。ガンダルフが生きていることをフロドが知るのは3作目のラストではあるが、観客向けにはガンダルフが生きていることを見せても何の問題もなかったように思う。
3部作を見終えて振り返ると、離れ離れになる面々の交流をもっと丁寧に描いておいても良かったのになと感じる。よくまとまっているとは思うが、世間で評価されているほどの作品には感じず。
【スペシャル・エクステンデッド・エディション】
劇場版の178分より30分長い208分のバージョン。2枚組のDVDでは1枚目が105分、2枚目が122分あるので合計すると227分あるので異なるのだが、おそらくエンドクレジットの追加分を上乗せしていないからだろう(こちらのバージョンはエンドクレジットだけで30分近くある)。追加部分は全編にわたって満遍なくあるのだが、特に序盤の追加部分はストーリーの根幹をなす部分なので追加した意義はあると感じる。中盤以降も重要な追加要素であることは理解できるが、旅の途中で立ち止まってしまう印象があり、やや冗長に感じた。
【音声解説1】
参加者
├ピーター・ジャクソン(監督)
├フラン・ウォルシュ(脚本)
├フィリッパ・ボウエン(脚本)
上記3名による対話形式の音声解説。スペシャル・エクステンデッド・エディションにのみ収録されている。原作本をどのように映像化するかに苦慮したことはプロローグを入れるかどうか、入れるとして何分にするかでニュー・ライン・シネマと揉めた話からだけでも十分に伝わってくる。この音声解説はスペシャル・エクステンデッド・エディションのものなので、劇場公開版に入れられなかった箇所についての詳しい解説も聞くことができる。他には、キャスティング、撮影時の工夫、演出、オリジナルの言葉の表現方法など、多分に語ってくれる。本作並びにスペシャル・エクステンデッド・エディションが好きなら聞くべき音声解説だろう。
【音声解説2】
参加者
├グラント・メイジャー(美術)
├ナイラ・ディクソン(衣装)
├リチャード・テイラー(Weta社ディレクター)
├アラン・リー、ジョン・ハウ(コンセプチュアル・アーティスト)
├ダン・ヘナー(アート・ディレクター主任)
├クリス・ヘナー(アート部門マネージャー)
├タニア・ロジャー(Weta社マネージャー)
上記7名による音声解説だが、全員が一か所に集まって話しているものではない。こちらもスペシャル・エクステンデッド・エディションにのみ収録されている。専ら映画の外観に関する話がメインの音声解説のため、どちらかというと特典映像で確認した方が良いのではないかとは思うが、美術関連のスタッフが本編映像に合わせて話す様子を楽しみたいのならありだろう。
【音声解説3】
参加者
├バリー・M・オズボーン(製作)
├マーク・オーデスキー(製作総指揮)
├アシュリュー・レスニー(撮影)
├ジョン・ギルバート(編集)
├リック・ボーラス(共同製作)
├ハワード・ショア(音楽)
├ジム・リジル(視覚効果スーパーバイザー)
├イーサン・ヴァン・デル・リン(サウンド編集スーパーバイザー/サウンド・デザイナー)
├マイク・ホプキンス(サウンド編集スーパーバイザー)
├ランダル・ウィリアム・クック(Weta社アニメーション・デザイナー&スーパーバイザー)
├クリスチャン・リヴァース(Weta社VFXアート・ディレクター)
├ブライアン・ヴァント・フル(Weta社VFX撮影監督)
├アレックス・ファンキ(ミニチュア撮影監督)
上記13名による音声解説だが、こちらも全員が一か所に集まって話しているものではない。また、こちらもスペシャル・エクステンデッド・エディションにのみ収録されている。上記2つの音声解説以外のメインスタッフが話す音声解説と考えてよいだろう。各スタッフによる仕事への情熱を感じ取ることができる。特に音楽、ミニチュア撮影に関する話は興味深かった。
【音声解説4】
参加者
├イライジャ・ウッド(フロド役)
├イアン・マッケラン(ガンダルフ役)
├リヴ・タイラー(アルウェン役)
├ショーン・アスティン(サム役)
├ジョン・リス=デイヴィス(ギムリ役)
├ビリー・ボイド(ピピン役)
├ドミニク・モナハン(メリー役)
├オーランド・ブルーム(レゴラス役)
├クリストファー・リー(サルマン役)
├ショーン・ビーン(ボロミア役)
上記10名による音声解説。こちらも全員が一か所に集まって話しているものではないが、ホビット4人を演じた俳優4人は一緒に話している。また、こちらもスペシャル・エクステンデッド・エディションにのみ収録されている。ホビット4人を演じた俳優4人はその関係性の良さが音声解説からでも十分に伝わってくる。原作本を理解した上での役作り、撮影時の裏話やアドリブ、他の俳優やスタッフの仕事ぶりなどについて語ってくれる。
【関連作品】
「ロード・オブ・ザ・リング(2001)」…シリーズ1作目
「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002)」…シリーズ2作目
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003)」…シリーズ3作目
「ホビット 思いがけない冒険(2012)」…前日章シリーズ1作目
「ホビット 竜に奪われた王国(2013)…前日章シリーズ2作目
「ホビット 決戦のゆくえ(2014)」…前日章シリーズ3作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【予告編】
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
本編
├劇場公開版
言語
├オリジナル(英語)
<Amazon Prime Video>
本編
├劇場公開版
言語
├日本語吹き替え
<Amazon Prime Video>
本編
├スペシャル・エクステンデッド・エディション
言語
├オリジナル(英語)
<Amazon Prime Video>
本編
├スペシャル・エクステンデッド・エディション
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<DVD(2枚組/コレクターズ・エディション)>
本編
├劇場公開版
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
映像特典
├「指輪物語」の世界
├指輪をめぐる冒険
├中つ国への道のり
├メイキング・クリップ集(15種類)
├オリジナル予告(3種類)
├オリジナルTVスポット(6種類)
├ミュージック・ビデオ“May It Be”by エンヤ
├DVD「スペシャル・エクステンデッド・エディション」プレヴュー
├第二部「二つの塔」プレヴュー
├ビデオ・ゲーム プレヴュー
<DVD(4枚組/スペシャル・エクステンデッド・エディション)>
本編
├スペシャル・エクステンデッド・エディション
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├監督、脚本による音声解説
├デザイン・チームによる音声解説
├制作、ポスト・プロダクション・チームによる音声解説
├キャストによる音声解説
映像特典(Disc3)
├DVDツアー・ガイド
├J・R・R・トールキン~中つ国の父
├原作から脚本へ
├物語の映像化
├中つ国 デザインと構築
├第一部 旅の軌跡
├ニュージーランド~中つ国誕生の地
映像特典(Disc4)
├DVDツアー・ガイド
├撮影風景
├視覚効果
├ポスト・プロダクション:完成作業
├デジタル補正
├音と音楽
├そして旅は続く
<BD>
本編
├劇場公開版
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声/映像特典
├なし
<BD2枚+DVD3枚>
本編
├スペシャル・エクステンデッド・エディション
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├上記4枚組DVDと同様
映像特典(DVD/Disc1&Disc2)
├上記4枚組DVDのDisc3とDisc4と同様
映像特典(DVD/Disc3)
├The Fellowship Of The Ring Behind The Scenes※上記4枚組DVDに収録されていないもの
<DVD(6枚組/コレクターズ・エディション トリロジーBOX)>
本編
├劇場公開版
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声/映像特典
├各スペシャル・エクステンデッド・エディション(4枚組DVD)と同様
<DVD(12枚組/スペシャル・エクステンデッド・エディション トリロジーBOX)>
本編
├スペシャル・エクステンデッド・エディション
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声/映像特典
├各スペシャル・エクステンデッド・エディションと同様
<BD&DVD(BD6枚/DVD9枚/スペシャル・エクステンデッド・エディション トリロジーBOX)>
本編
├スペシャル・エクステンデッド・エディション
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声/映像特典
├各スペシャル・エクステンデッド・エディション(BD2枚+DVD3枚)と同様
【音楽関連】
<CD(サウンドトラック)>
収録内容
├18曲/71分