今回も引き続き日本の税金について見ていきます。

 

所得税と国民年金については前回書いていますので、今回は住民税と国民健康保険が主になります。

 

 

住民税とは道府県民税と市町村民税を合わせたものを指します。

 

東京都は特殊で、23区の住民の場合は都民税と特別区民税と呼びます。

  • 1868年(慶応4年)、江戸が江戸府へ、同年に東亰府【とうけいふ】へ
  • 1889年(明治22年)、東京府は府下に東京市を設ける
  • 1943年(昭和18年)、東京府と東京市を統合して東京都へ
  • 1869年(明治2年)、蝦夷地【えぞち】などと呼ばれていた地域を北海道と命名(開拓前なので現在とは違う意味合い)
  • 1882年(明治15年)、開拓使を札幌県・函館県・根室県の3つに分けるもこの4年後に廃止し現行の北海道へ
  • 要するに都道府県で都と道は特殊な成り立ち

 

1868年(慶応4年・明治元年)

  • 江戸幕府の直轄領が明治政府の直轄領になり、重要地域の10箇所が府になり、一部の藩が県となる
  • 1869年(明治2年)、太政官布告により3府(江戸府、大阪府、京都府)を除き全て県へ
  • 7府:箱館府(北海道)、神奈川府、甲斐府(山梨県)、越後府(新潟県)、度会府(三重県)、奈良府、長崎府
  • 1871年(明治4年)、廃藩置県により藩を全て県へ

1873年(明治6年)

  • 年貢制度を改めるため地租改正を実施し、地価の3%を毎年課税(現代の固定資産税を激しく限界まで重税した感じ)
  • 現代の住民税に当たる村入費を創設(地租の1/3以内)
  • 年貢は村請制という村全体の連帯責任でしたが、地租は土地を所有者する個人が責任者
  • これ以前の明治時代初期までの税収は年貢による米が中心
  • 年貢から地租になった事で個人の負担は基本的に微増(重税には変わらない)

1877年(明治10年)

  • 1874年(明治7年)から地租に不満を持つ者たちによる一揆が各地で勃発する
  • 処罰者が5万人も出た1876年(明治9年)の伊勢暴動などにより税率3%が2.5%へ下がる

1878年(明治11年)

  • 府県税が地方税として体系化される
  • 村入費を廃止し、府県税戸数割を創設
  • 煙草税など間接税はあるものの、地租と戸数割(地租を元にした税)が個人の税へ

1882年(明治15年)

  • 府県税に家屋税が創設され、地租(土地)だけでなく家屋も税の対象へ

1887年(明治20年)

  • 国税に所得税の創設
  • 個人の主たる国税は所得税、地租、間接税となる(加えて地方税もある)

1888年(明治21年)

  • 市制と町村制が施行され、独立税として所得税附加税と府県税戸数割附加税を創設

1898年(明治31年)

  • 府県税も所得税附加税を創設

1926年(大正15年)

  • 府県税戸数割が独立税の戸数割になる(移譲)
  • 移譲された事により府県税戸数割附加税が廃止

1938年(昭和13年)

  • 旧国民健康保険の施行
  • 加入は任意で、一説では1/3の3,000万人が無保険だったとか

1940年(昭和15年)

  • 府県税の所得税附加税と独立税の戸数割を廃止し、市町村民税の創設

1946年(昭和21年)

  • 道府県民税の創設
  • シャウプ勧告により従来の道府県民税と市町村民税を廃止

1947年(昭和22年)

  • 国税であった地租が地方税になり、1950年(昭和25年)に家屋税と共に廃止され、同年現行の固定資産税へ継承される

1950年(昭和25年)

  • 地方税法により、住民税として現行の市町村民税を創設

1951年(昭和26年)

  • 国民健康保険税の創設

1954年(昭和29年)

  • 住民税として現行の道府県民税を創設

1961年(昭和36年)

  • 国民健康保険が国民皆保険として行き渡る

 

 

住民税の過去の税率の一例。(詳細は下記URL)

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/pdf/ichiran06_h20_17.pdf

 

1950年(昭和25年)

  • 道府県民税:無し
  • 市町村民税:所得割18%と均等割800円

1954年(昭和29年)

  • 道府県民税:所得税の5%と均等割100円
  • 市町村民税:所得割7.5%と均等割600円

1964年(昭和39年)

  • 道府県民税:所得税の2%~4%と均等割100円
  • 市町村民税:所得割2%~14%と均等割600円

1974年(昭和49年)

  • 道府県民税:所得税の2%~4%と均等割100円
  • 市町村民税:所得割2%~14%と均等割600円

1984年(昭和59年)

  • 道府県民税:所得税の2%~4%と均等割500円
  • 市町村民税:所得割2%~14%と均等割2,000円

1994年(平成6年)

  • 道府県民税:所得税の2%~4%と均等割700円
  • 市町村民税:所得割3%~11%と均等割2,500円

2004年(平成16年)

  • 道府県民税:所得税の2%~3%と均等割1,000円
  • 市町村民税:所得割3%~10%と均等割3,000円

2007年(平成19年)以降

  • 道府県民税:所得税の4%と均等割1,000円
  • 市町村民税:所得割6%と均等割3,000円

 

 

個人の税金の上限について

  • 所得税と住民税は上限が無く、稼いだ額に応じて税金は際限なく増えます
  • 国民健康保険と厚生年金には上限があるので、超高給取りの人は有利になります
  • 国民年金は定額です

 

 

戦後直後からの超富裕層の税額(他に国保や年金があるので各種控除を勘案しても記載より負担は若干重いのでは)

 

1946年(昭和21年)

  • 所得税:75%

  • 税額:75%

  • 財産税:90%(資産が対象)

1947年(昭和22年)

  • 所得税:85%

  • 税額:85%

1950年(昭和25年)

  • 所得税:55%

  • 住民税:18%

  • 税額:63%

  • 富裕税:3%(資産が対象、実施は4年間?)

1954年(昭和29年)

  • 所得税:65%

  • 住民税:12.5%

  • 税額:77.5%

1964年(昭和39年)

  • 所得税:75%

  • 住民税:18%

  • 税額:93%

1974年(昭和49年)

  • 所得税:75%

  • 住民税:18%

  • 税額:93%

1984年(昭和59年)

  • 所得税:70%
  • 住民税:18%
  • 税額:88%

1994年(平成6年)

  • 所得税:50%
  • 住民税:15%
  • 税額:65%

2004年(平成16年)

  • 所得税:37%
  • 住民税:13%
  • 税額:50%

2007年(平成19年)

  • 所得税:40%
  • 住民税:10%
  • 税額:50%

2015年(平成27年)

  • 所得税:45%
  • 住民税:10%
  • 税額:55%

 

 

改めて振り返ると税金って高いですね。

  • 庶民:江戸時代は人権を無視した税率で、それは明治時代に入ってからも変わらず、開放されたのは戦後の高度経済成長から
  • 富豪:敗戦後は資産家たちも過酷な税を負う事態になり、90%前後の重税から開放されたのは平成時代から

 

近年は庶民への増税と富豪への減税が続いていますが、一揆などの暴動が起きる水準には遠く及ばないでしょう。

 

暮らしの苦しさは税率だけで決まらず、物価や賃金など総合的な条件とその時代の常識や忍耐が関わってきますが、調べれば調べるほど現代で一揆が起きる程の不条理は全く感じませんでした。(過去が常に異常とも言える)

 

昔と言っても数百年前ですが、一揆を起こすには生きるかどうかの瀬戸際まで追い詰められないと起こりえないものなのでしょう。

 

日本最大の一揆は天草四郎の島原の乱が有名ですが、限界まで追い詰められて農民たちが立ち上がったら幕府に皆殺しにされるという歴史を持つ国なので、現代の恵まれている環境で立ち上がる人は皆無なわけです。

 

調べる内に国が暴走したら怖いと改めて実感しましたが、現代がどれだけ恵まれているかも実感できるので、皆さんも過去の日本の過ちを調べてみて下さい。

 

この時代に日本人として生まれる事が出来て良かった~!