現代物パラレルにチャレーンジ♪
カランコロン……
「いらっしゃいませー!」
「……やぁ。」
「お待ちしてました、敦賀さん。
奥へどうぞ。」
蓮はいつものように個室へ通されると、籠の中に荷物を置き、ジャケットを脱ぐ。
「…………。」
「…………ん?どうかした?」
「あっ///いえ!ごめんなさい!
準備できたらお声掛けて下さいね。」
キョーコはにっこりと微笑むと一度個室を出た。
「……やっぱりこの腰の辺り……いつも凝りますね。」
「あぁ、そうだね……うん、そこ……いいね……」
「お仕事の鞄、重たそうですもんね?」
「そうかな?サラリーマンは皆こんなもんじゃない?」
「そうですか?でも大変ですね。」
「クスクス、ありがとう。」
「じゃあ、次は上向きになって下さいね。」
「…………。」
「キャッ///」
「……こういうこと……されたりしないの?」
蓮はキョーコのお尻を軽くタッチした。
「もぉ///ビックリさせないで下さいよー!
でも正直慣れてますけどね、ふふ。」
「…………。」
「でもあれですよ?お客さんのほとんどは町のおじいちゃんとかなので、私みたいなペタンコなお尻なんて触っても面白くないって言われます。」
ニコニコとそう話すキョーコ。
「おーーーい、キョーコちゃんいるかー?」
「あ、しまった!入り口開けたままだった……
ごめんなさい!敦賀さん、ちょっとだけ待ってて下さいね?
はーーい!!」
キョーコがパタパタと入り口へ向かって行くと、蓮は個室の外から聴こえる会話に耳をそばだてた。
「これなー、ばーさんが持ってけいうからよー。」
「わー!美味しそうな煮物!
いつもありがとうございます!」
「いんや、いーんだよ。キョーコちゃんには親父さんの代から世話になっとるからな。
これ食ってちったぁ肉付けるんだぞー。」
「あはは、もーう!治一郎さんったらー!
ありがたく頂きますね!」
キョーコは来客を送り出すと個室へと戻った。
「お待たせしてすみません!
……ね?ふふふ、私に本気で変なことしようなんてお客さん、うちにはいないんですよ。
みんな私のこと子どもの頃から知ってますし、母のいない私のことを孫みたいに思ってくれてるんです。」
「……そう。いい町だね……。」
「はいっ!」
「敦賀さん、次のご予約もお待ちしてますね。
ありがとうございましたー!!」
ここは都心部から遠く離れた田舎町の小さな駅の程近く。
キョーコの父の代に開業したマッサージ店。
産まれてまもなく母を亡くしたキョーコは、いつも父の近くにいられるこの店に、幼い頃から頻繁に出入りしていたため、父の頃からの馴染みの客とも幼い頃からの付き合いだ。
将来は父と二人三脚で店を切り盛りして行こうと、またこれからは若い客も取り込んでいくため、按摩が主だった父とは違う、エステティックの技術を学んでいたキョーコ。
やっと父の手伝いが出来るとなった矢先に父が急遽した。
按摩の技術も幼い頃から父に叩き込まれていたため、幸いにも常連客が離れることはなく、また身寄りをなくしたキョーコを我が子我が孫のように皆がこぞって世話を焼いている。
そんな周囲の助けもあり、なんとか細々とキョーコ一人でこの店を切り盛りしながら、経営を続けることが出来ている状態だ。
そんなこの店を蓮が初めて訪れたのは、約3ヶ月前のこと。
「……えーと?
"ほぐし屋 揉みじ" ……ここか。」
カランコロン~
「いらっしゃいませー!
あ、初めてのお客様ですね!
この用紙を記入して頂いてここでお待ちください。
今のお客様の施術が終わりましたらお呼びしますので!」
蓮は明るいキョーコの対応に気圧されるように椅子に腰掛け、初めて入った店内の様子をぐるりと見渡すと名前や症状などの記入を始めた。
そして数分後ーーー
「今日もありがとう、田中さん。」
「キョーコちゃん、これいつもの置いとくでなー。」
「わぁー!お野菜いっぱい!いつもありがとう!また来てねー!」
「ごめんなさい、お待たせしました!
えーっと、敦賀……さん!
今日は本来でしたら初回コースをご利用頂けるはずなんですが、今日この後15時から予約が入っていまして……
申し訳ないのですが、今日は30分コースの足つぼとかでもいいですか?」
「あ、あぁ。構わないよ?」
「ありがとうございます!ではこちらへどうぞ!」
「……すごく……凝ってますね?」
「……そうかな?」
「お仕事は何をされてるんですか?」
「………………。」
「あっ、ごめんなさい!差し支えなければで結構ですよ?」
「あぁ、うん……。営業……ってところかな?」
「そうなんですね!じゃあ沢山歩かれますね?」
「そうだね。」
「それでしたら、この後もお仕事頑張って頂けるように、しっかりとほぐしておきますね!」
キョーコは蓮の足の裏のツボを力強く押した。
「……うっ……」
華奢な身体からは想像できないほどパワフルな施術をするキョーコ。
そのゴッドハンドとも呼べるくらいの絶妙な技術と朗らかな笑顔で、蓮がこの店の常連となるのに時間はかからなかった。
カランコロン~
「こんばんは。」
「いらっしゃい!敦賀さん。」
「今日は……もう?」
「はいっ、後はいつものように敦賀さんだけです。」
「じゃあ、外看板消しておくね。」
「いつもすみません!」
蓮はもう一度外へ出て、キャスター付きの看板のコンセントを抜くと、店内へと片付けた。
その間にキョーコも店名の蛍光灯をオフにしたりと閉店準備を進める。
最後に蓮はカチャリ……と店の出入り口を中から施錠した。
「では、いつものオイルマッサージでいいですよね?
奥へどうぞ。」
「ありがとう。」
常連になってからの蓮が訪れるのは決まって閉店間際。
ジャケットを脱ぐと、それを合図にキョーコは一度個室を出る。
その間に蓮は専用の下着に履き替え、タオルを掛けて施術台に横たわる。
準備が出来たところでキョーコが個室へと再び現れ、施術を開始する。
「敦賀さん、今日もお仕事遅くまでお疲れ様です。」
「え?あぁ、ありがとう。
でも今日はもっと早くに終わってたんだ。」
「え?そうなんですか?それならご連絡頂けたらもっと早い時間の予約も入れられたのに……」
「いや、いいんだ。この時間で。」
「え……」
「閉店間際のが、君とゆっくり話せるから……。」
「あ……///
そ、そうですよねっ!いつもご近所の皆さんが施術中もお構いなく出入りされますしねっ。」
キョーコはうつ伏せの蓮に赤らんだ頬を見られることなく切り返した。
「私、専門はオイルマッサージなんですよ。
今はまだ敦賀さんしかこのコースの常連さんはいらっしゃらないですけどね。」
「そうなんだ。
勿体ないね。こんなに上手なのに……」
「ふふ、ありがとうございます。」
「でも……俺だけってのも、悪くない……かな。
これは、女性客ならいいけど、男性には、俺以外にはして欲しくないな、クスッ」
「もぉ///そんなんじゃ商売あがったりですよ!」
キョーコはいつも思わせ振りな蓮に、リップサービスだと分かりながらも、惹かれていく気持ちが日に日に増していた。
「商売……ね。
でも……君のマッサージ……本当に気持ちがいいんだ……。」
「ふふ、嬉しいです///」
「いつも、見て見ぬふりをしてくれてるよね?
君は一応プロだから……。」
「なんのこと……ですか?」
蓮は徐に仰向けへと姿勢を変えた。
「これ……。
気づいてたんだろう?」
「なっ///」
蓮はキョーコの手を握るとそれを…………
もう、ホントごめんなさいΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)アワアワ
決してリクエスト内容はこんなんではありませんでしたよ!!←そこだけは断固として強調!
えーと、、
リクエスト内容φ(..)
『マッサージ師キョーコと、施術される蓮のお話です!』
と頂きました、harunatsu7711 さまのリクエストをまたもやり過ぎ感の否めない感じに大きくねじ曲げてお応えさせて頂きます(*/ω\*)
足つぼとか萌えると頂いただけなのに、ホントごめんなさい(´Д`|||)
でも過度な期待は禁物ですよ(*´艸`)♡