彼女のセツの演技が変わった……気がする。


「兄さん、お疲れ様。」


「あぁ。昼飯が遅くなって悪かったな。」


「いいのよ、それに悪いのは兄さんじゃないわ。
NG出し続けたあの小娘が悪いのよ。」


小娘……か。
最上さんの姿なら絶対に使わない言葉だな……。

あの娘を妙に敵視するのは、“大好きな兄さん” に纏わり付く邪魔な存在だから……ってところか……。

“セツ” の口は悪いけど、ヤキモチを焼いてくれている感じがするのは、正直悪い気はしない……。

“最上さん” だったらあり得ないことだから……。


「座って?兄さん。
  食べましょう?」


「あぁ。」


今日のお昼は何を作ってくれたんだろうか?
“セツ” であっても、料理の腕はあくまで“最上さん” だ……。
彼女の手料理をこうして食べられる撮影期間は、本当に俺にとってはいいこと尽くしだな。


「兄さん、ちょっとここ空けて。」


え?ここ?

……どこ?


「よいしょっと。」


ーーーっ!?

“ここ” って……俺の膝の上!?

いや……“セツ” ならそれもアリなのか!?

でも待って……ここ控え室だし……
ほら、視線が集まってきてる……。

それに…………
あ、今日はスカートじゃないか……良かった……。


………………。

背もたれとして……とりあえず片膝立てておくか……。


「あ……。ありがと、兄さん。」


…………この距離は、やばい。
…………可愛い……。


「はい、あーん。」


えっ……?


「ほら、早くあーんしてよ。
  卵焼き落ちちゃうじゃない。」


「あ、あぁ……。」


………………。

おかしい……。

“セツ” って、こんなだったか……?

日本にいるときは、ここまではしなかったはず……。

グアムに来て……“セツ” も開放的に……?
それとも…………


「んー。卵焼きちょっと甘くしすぎたかしら……」


……あれ?
しかも、俺の口に入れた箸で君も食べるのか……。

まぁ、そうだよな?
一膳しか手に持ってないんだし……。

でも、普段の君なら……
天然記念物的乙女の “最上さん” なら……


これも “演技” だからか……。


「はい、あーんして?」


………………やばいな……
可愛すぎるだろう?

しかも、君も口にした箸で……。

って……。
まぁ、昨日はキス……したんだっけな……。
……“コーン” でだけど……。


「あーん。」


キス……2回したんだよな。


「兄さん?」


「…………なんだ。」


「なんだじゃないわよ!
  口開けてくれなきゃ、食べさせられないじゃない!」


「……怒った顔も可愛いな……。」


「っ!?///」


しまった。
言葉に出てた……。


「もうっ///
  食べる気がないならもう知らないっ///」


照れながら怒って……
本当に君は……


「こら、セツ。
  俺の分がなくなる……」


…………。
口、開けてるんだけどな……

仕方ない……。


「セツ……。」


「んむっ!///」


ん。美味しい。


「いっ、今っ///」


「お前が全部食べようとするからだ。」


「~~~~~っっ/////」


お……。
スタッフさん達の引きようが凄まじいな……。
まぁヤンマガ兄妹とはいえ、ちょっとやり過ぎたか……?


それから……やっぱり、この最上さんの動揺ぶりからして、さっき掠めた気がしたのは気のせいじゃなかったか……。


これで、3回目?




Fin.


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変なタイトルですみません( ̄▽ ̄;)
気づきました??
36巻のほんのちっちゃな2コマ。
そこ!そこをもっと!!щ(゜◇゜щ)
と思っていた部分(笑)
広げてみました( ☆∀☆)キラン♪

え?広げすぎ……?(* ̄∇ ̄*)