ポール・マッカートニーの「イエスタデイ」に首位の座を奪われた「イエスタデイズ」(どんなランキングやねん、笑)。

この曲を作ったのは「煙が目にしみる」と同じくオットー・ハーバック(作詞)、ジェローム・カーン(作曲)のコンビで、1933年のミュージカル『ロバータ』のために書かれたものです。

ジャズ歌好きのかたは、ボクも含め、なんといっても最初に思い浮かぶのはビリー・ホリデイ。

♪わたしたちが知り合った幸せな甘い日々よ、黄金の日々よ、

過ぎ去った過去の幸せを偲ぶときこそ、ビリー・ホリデイの真骨頂。この曲はこの人のために作られたのではないかと思えるほど、ピッタリはまっています。




エラ・フィッツジェラルドの「イエスタデイズ」は、ちょっとラテン系リズムに乗っています。




カーメン・マックレーは、ビリー・ホリデイを全曲追悼したアルバム『LOVER MAN』で、オマージュを捧げています。



ダイアン・リーヴスのスウィンギーでモダンなアプローチは、メチャかっこいいですね。ファンキー大賞モンです。

パーソネルも最高です。

Dianne Reeves - vocals
Billy Childs - piano
Stanley Clarke - bass
Tony Williams - drums
Airto Moreira - percussion
Freddie Hubbard - flugelhorn




さて、この名盤に隠れた名曲「イエスタデイズ」あり。ヘレン・メリルのあのLPです。

Personnel: Helen Merrill (vocal), Clifford Brown (trumpet), Jimmy Jones (piano), Barry Galbraith (guitar), Oscar Pettiford (bass), Bobby Donaldson (drums), Quincy Jones (arrange, conduct)

そうなのです。このアルバムは、クリフォード・ブラウンの友人であるクインシー・ジョーンズが若くしてプロデュースとアレンジ(といってもヘッド・アレンジのようですが)を担当したことでも知られています。
若いながらも、見事にツボを押さえていることに驚きます。




最後はマイルス・デヴィスの「イエスタデイズ」で切々と。

パーソネルは、Miles Davis, Gil Coggins, Oscar Pettiford & Kenny Clarkeです。




ボクの勝手な思いつきなのですが、もしもこの曲のタイトルが「Yesterdays」ではなくて「Tomorrows」だったら、万が一同じメロディだったとしても、もっと明るい曲想になっていたのでしょうか。

少なくともビリー・ホリデイは、「“明日”の歌は私には似合わないのよね~」と、演奏や録音をしなかったのではないかと思ったりします。前向きなビリー・ホリデイは、ボクらのイメージの中では、どうも収まりが悪いような気がしますがいかがでしょう?みなさま。