歌詞をもう一度 | POP RADIO WEB

歌詞をもう一度

僕は今まで、音楽のほとんどを洋楽で聴いてきた。

海外のロックにしか、興味は無かった。

海外のロックから、多くのことを学んだ。

そこには秀逸な歌詞があり、音楽が持っているダイナミズムがあった。

僕はむさぼるように、それらの音楽に没頭した。

自分が曲を作るようになって、13年程になる。

僕が曲を作るようになったのは二十代も半ば頃からだから、

ずいぶんと遅い方だ。

その時に最も意識したのは、歌詞だった。

自分が聴いてきたものに恥じない言葉のクオリティを出せるかどうか。

残念ながら、すべてうまく行ったとは思えない。

しかし、ある曲のワンフレーズとか、

メロディは失敗しているけど、歌詞は良かったとか、

そういう半端な成功はいくつかある。

自分が聴いてきたものには及ばないけれど、

自分の力を出し切ったと言えば納得のいくものもある。

過去に書いてきたものがすべて納得いくわけでないが、

自分の力量を思えばまあまあ書けてきたかなと思うこともある。

今後は経験を生かし、歳を食ったなりの歌詞を書いていきたい。

すこし、自分の中でハードルをあげようと思う。

そう思ったのはやはり、巷に溢れている邦楽の歌詞が、

偏り過ぎているように思えたからだ。

なんだか、みんな取っ替えが効くように感じたのである。

誰が歌っても同じというような。

だったら、僕はレベルが低くても、自分にしか歌えない歌を作ろう。

アマチュアとして、ライフワークとして活動しているだから、

そのくらいのことをしようと思う。

それを幻想だと言えばそれまでだけど、

その一言で世界が一瞬にして変わるような、

そういう力を持った歌はたくさんあった。

できるできないではなく、そういう取り組みをずっと行っていきたいと思う。