5月14日(火)


手術室で全身麻酔下で右肺嚢胞にドレーン挿入し帰室

案の定、呼吸も心拍も熱も、全てが悪い状態


いつも全身麻酔の術後ってだけで2~3日は調子悪くなるから、

元々の状態が悪かった訳だから、更に悪化するのはわかってたけど…

しんどいね…


左肺を守るために、左向きではなく、右向きのほぼうつ伏せ状態にしてドレーンを入れた、と

体勢を変えただけで、人工呼吸器ではSpO2を維持できなくなったため、麻酔科医がずっとアンビューでかなりの圧をかけて換気しながら実施したそう

すると、胃が張ってきて、空気が胃に溜まってきた、と

つまり、食道バンディングをしていても、高い圧がかかると肺から胃へも交通する、ということ

バンディングは、キツすぎるとバンディングした部分が壊死してしまうから、キツすぎず緩すぎずの絶妙な具合にしなければならない

みぃの体の中で、それに勝る圧力が生じていたんだね…


ドレーンを入れても、すぐには溜まっていたものが出てこなかったらしく、

時間が経ってから、ドロドロしてなかなか流れていかないような膿が少しずつ出てきたそう

これだけ汚い膿が、どこも出口がない状態で嚢胞内に溜まり続けたままにしていると、

危なかった
数日後に敗血性ショックを起こす可能性もあった

と…


そうなる前にドレーンが入って良かった…

これで良くなるはず…





5月15日(水)


レントゲンを撮ると、左肺の肺炎は治ってた

けど、右肺の嚢胞から下の肺(肺の下半分くらい)が真っ白…

何で…

どうやら、手術中に高い圧で換気したことで、嚢胞内に溜まっていた膿が、肺の末端に飛んでしまったよう

ドレーンが入って良くなると思ってたのにショック…


更に追い討ちをかける出来事が…

午後

何の前触れもなく、急にSpO2が下がり始めた

吸引しても何もひけてこない

あっという間に、SpO2が60台まで下がり、顔も手足もチアノーゼに

ナースコールして、呼吸器の酸素濃度を100にしてもらい、すぐにドクターコールしてもらう

アンビューを準備していると、すぐに医師が来てくれた

たまたま近くの病室で処置中だったらしい

良かった…

医師がバギングし、合間で何度か吸引するも痰はひけず

しばらくバギングしていると、徐々に回復してきた

おそらく奥の方で一時的に痰が詰まったのではないか、と

加湿設定は最大になっているため、吸入回数を増やして経過をみることに


みぃは、相変わらず顔面蒼白でぐったりしたまま

またいつ痰が詰まるかわからないと思うと、気が気じゃない

看護師に頻繁な訪室をお願いしつつ、

夜間はウトウトしながら、アラームが鳴ったり物音がしたらすぐに起きて様子を看て、の繰り返しでした


ただ1つ良かったことは、みぃが咳き込むことが大幅に減ったこと

ドレーンから痰も出てくれるためか、咳き込みが減り、みぃが長い時間眠れるようになった

状態は良くないけど、少しでも休める時間を確保できるようになって良かった…





5月16日(木)


今日もレントゲン撮影

結果は、昨日より右肺の白い部分が少しだけ薄くなった!

熱は下がったし、呼吸状態も少しずつだけど落ち着いてきた

みぃの顔色とぐったりしてるのは変わらないけど、少しずつ良くなってきた部分もあって、少し安心…





5月17日(金)


今日もレントゲン撮影

結果の説明が遅いなーと思ったら、

『少し悪くなってるから、今後の治療も含めて後で改めて説明したい』

と…

悪い予感しかしない…



昼過ぎ、別室で説明

今日のレントゲンを見せてもらった瞬間、言葉を失った…

右肺全部が真っ白…

少しどころかかなり悪化してる

こんなにひどいレントゲン、今まで見たことないんじゃないかってくらい…


『今日のレントゲンを見ると、一気に悪化している

採血の結果も
WBC 28790
CRP  11.19

強い抗生剤を最大量使っているのに、悪化してる

肺炎の急性憎悪、あるいはARDS(急性呼吸窮迫症候群)のような状態になっていると考えられる

すぐにステロイド治療を始める

副作用のデメリットもあるが、今の状態ではメリットの方が大きいと判断した


幸い、左肺はキレイで、今の呼吸は完全に左肺頼みの状態

この状況で、もし左肺にまた肺炎など何かトラブルが起きた場合、呼吸を維持できなくなり致命的になってしまう

万が一ステロイドが上手く効かなかった場合、土日で急変する可能性もある

何かあった時に、確実に薬を投与できるルートが必要なため、これからCVを入れる

念のため、輸血が必要になった時にも備えておきたい


出来れば今日、お父さんにも話をしたい

元々月曜に話をする予定だったが、今の状態と土日のことを考えると、今日話をしておきたい』


自分の鼓動が大きく聞こえて、頭がボーッとしてきた…

ここまでハッキリ急変の可能性を改めて話されたのは初めてかも…

しかも土日って…


涙が出そうになるのを我慢して、CV挿入と輸血の同意書にサインした


説明が終わると、すぐにCV挿入の準備が始まった



パパへ電話

仕事中の連絡はLINE、緊急時のみ電話、と決めていたため、

「今時間大丈夫?」

と言うと、

「緊急なんでしょ、いいよ。」と

状況を説明しようとすると、言葉よりも先に涙が出てきて止まらない

「みぃの状態が悪くなった
すぐに新しい治療を始めたけど、土日で急変する可能性がある
だから、今日、先生がパパにも話をしておきたいって言ってる
今日病院に来て欲しい
良くない話だから、まなちんは連れて来ないで欲しい」

泣きじゃくりながら、何とか声を振り絞って話しました

仕事を調整し、夕方には来てくれることに


ひとしきり泣いたら、少し落ち着いてきた

しっかりしろ、と自分に渇を入れる



右鼠径からのCV挿入

時間がかかってる…

と思ったら、医師が来て、

『CV挿入はすぐ終わったが、なかなか血が止まらなくて時間がかかってる
今、至急で凝固系の検査を出した』

血小板の数値は異常ないのに、血が止まらないって…

まさか…DIC(播種性血管内凝固症候群)になってるんじゃ…

急変の言葉が、より現実に近付いてくる…



圧迫して何とか血が止まり、みぃの元へ

白い顔でぐったりしてる…

午前中と変わらないのに、より具合悪く見える…



夕方、パパが来てから、再度医師から説明

昼に聞いたのとほぼ同じ内容を、パパにもわかりやすく説明してくれる


昼の時は思考停止してしまって聞けなかったことを聞いてみた

●敗血症やDICになっていないか?
→ 現時点では大丈夫
  凝固系に少し異常があるが、まだそこまでではない(片足突っ込みかけてる程度)
  今後起こりうる可能性はあり、どうなるかはわからない

●ステロイドが効かなかった場合、次の治療は何があるか?
→ 正直、打つ手がなくなる可能性が高い
  その場合、命の危険がある
  今回の肺炎悪化は、誤嚥性肺炎とは違い、化学性の肺炎の急激な悪化だと考えている
  溺れるのを覚悟で、命懸けで、炎症を起こしている肺を洗浄するしかなくなるかもしれない


要するに、

ステロイドが効かなかった場合、命が危なくなる

ステロイドが効いてくれるのを、ただただ祈るしかない…

この土日が山場になり、土日の経過次第で今後が決まる…


珍しく私が先に取り乱したせいか、パパは冷静に話を聞いていました

ただ単に、いまいちピンときていなかっただけかもしれないけど…


何の根拠もなく、

「みぃは大丈夫だよ、きっと大丈夫」

と、みぃの頭をなでながら言っていて…

この時ばかりは、その言葉が心強く感じました



みぃ、お願いだから頑張って…

今でも十分すぎるくらい頑張ってるのはわかってるけど…

何とかこの山場を乗り越えて欲しい

お願い…



ステロイドが効きますように…

少しでも改善に向かいますように…


そう願いながら、みぃの手を握って夜を過ごしました