そんな私だったが、後期に入って周りと前よりも仲良くなった。
色んな事をして遊んだりするようになった。飲み会用に変な替え歌作ったり変なイベント考えたりするのが凄く楽しかった。
しょっちゅう家に帰らなかった。
何をしたらいいのかはわからなかった。けれど、ただ毎日を精一杯全力で生きようと決めた。いろんな遊び考えて、実行する事を生き甲斐にしていた。
だけどやっぱりあまり人に心を開けなくなっていた。というよりもう心の開き方がわからなかった。抱えている物が自分的には大きすぎて、語る事も出来なかったのだと思う。
今までの暗い高校生活、暗い家庭環境、今でも消えない鬱屈とした感情…感覚過敏も患っていた。
そんな重い話誰にもしたくなかった。そのせいか、こう言われた事があった。
一歩引いて人と付き合うよね。
はっとさせられた。自分では薄々分かっていながらも、実際言われるとまた違った。
私は出来ない事があるとわりかし人に頼るタイプだった。甘えてるとかよく言われた。
けれど精神的には人には甘えれないのだ。中学時代からその兆候はあったけれど、余計にひどくなっていたと思う。だってその頃にはもうその私の闇の部分についてまで語れる人は1人もいなかったのだから。
自分のうっかりしてる所、継続の出来ない所に対する嫌悪感。劣等感も凄かったしそもそも私は自分を常に思いっきり変えたいと思ってずっと生きて来た。常に自己否定して生きていたのだ。
バイトで遅刻やミスを連発して何のバイトも続かなくて、半泣きになりながらドフトエフスキーの「罪と罰」や、「貧しき人々」を手に取った事もあった。
こうして私は落伍者になっていくのかと思った。自分が難関大学に通っているような気なんて全くしなかった。
でもそんな事言えない。私の全てを吐露してしまったら重すぎるもの。暗すぎるもの。
メンヘラという言葉がある。
皆メンヘラを嫌がる。
私は皆の前でメンヘラにはなりたくなかった。
そもそもそうやって精神的に甘えてしまえば甘え切ってしまいそうで怖かった。人に依存するのが怖かった。
私は人の話ばっかり聞いて、自分の心は一切見せなかった。相手からしたらさみしかったんじゃないかな。
というより私は自分がとても、ずるいと思う。
人には色々話して欲しかった。頼られると嬉しかった。話してくれなかったらさみしかった。けれど自分の事は極力話したがらなかった。
本当にずるい根性だと思う。