蒲郡市西浦の温泉街入り口の山の上に鎮座する稲村神社です。
神社のある山頂への遊歩道は「万葉の小径」として整備されている。
途中に「朝日が輝く丘」と称して東向きに三河湾を望むスポットがある。
対になるものとして温泉街の西にある西浦園地内には西向きの「夕日が彩る丘」というのもある。
んで「万葉の小径」と言うからにはところどころにこのような歌碑が建っている。
周辺の土地にちなんだ歌だけではちょっとネタが足りなかったのか、生えている草花を題材にした歌も選ばれている。
…そういや前に一瞬万葉集の良さがわかった気がして文庫本を買ってみたけど全然読んでないな。
10分ぐらいで境内下の鳥居に到着。社標では稲村大明神となっている。
昭和十年建立の一の鳥居。銘は崩し字でイマイチわからないが「幡豆石工 小嶋倉助」?
石段の途中に建つ二の鳥居。文化十五年(1818)建立。
鳥居に「願主 蝿田講中 若者 惣氏子」とあり、地名に蝿の字を使っているのが珍しい。
この後見た境内の由緒書きでは、家康が当地に立ち寄った際に雪の中なのに蝿が多いことに驚いたため蝿田という、とする地名伝説を紹介している。
面白い地名だがやっぱり字ヅラがよくないためか、現在の住所には残っていない。
石段を登り切った所の灯篭。手前が文化、奥が天保の頃のもの。
山頂の境内。
狛犬は台座が岩山風になっているのが特徴で面白い。
しかし台座がないので、そこに刻まれていることが多い建立年・作者がわからないのが残念。
なんとなく昭和初期、一の鳥居と同じタイミングかな?
拝殿、本殿共に木製。
本殿の瑞垣の瓦の上にいた狛犬。
稲村神社由緒書き。
びっしり字が書いてある割に由緒についての情報は少なく、創建は不明。
稲村という名前は、鎮座地の山が刈り取った稲を積み重ねた稲むら(稲塚とも)の形に似ているためという。
雨乞いの祈願にご利益があることで知られる。
主祭神は豊宇気毘売神。
帰りに麓から林立する西浦の温泉街を見たらなかなか味わいがある風景な気がした。