私はアプリ「人狼ジャッジメント」で1600戦程度の村をプレイした。
一方、人狼ルームは先日デビューしたばかりだが、チャットと対面とでは全くゲーム性が違うことを体感した。
人狼ルームのHPはこちら↓
http://game.cotori.net/jinro_room/?disp=shibuya-bettei#box02
2000円~3000円ほどで、大人数の村(基本的に14人前後)に入ることができる。
人狼好きなら行ってみて損はないので、ぜひ体験されたい。
さて本記事では、「チャット人狼と対面人狼との違い」について考察してみたい。
(ここでの対面人狼は、店舗の13人程度でのプレイを想定する)
○一般論:人狼ゲームに必要な技術
両者を比較する前に、人狼ゲームのゲーム性についての一般論を検討する必要がある。
☆人間陣営
まず、人間陣営となったプレイヤーの目線に立って考えてみる。
人間陣営の勝利に貢献するために必要な能力はざっくり言えば以下の2点である。
①誰が人狼で誰が人間かを推理する能力
②自分の推理に基づき、人狼を処刑できるよう村を誘導する能力
①をさらに細分化して検討すると、人狼と人間を見分けるための判断材料は以下に大別できる。
A:占い結果、霊媒結果等の可視情報からの推測
B:投票履歴からの推測
C:発言内容、挙動、雰囲気等からの推測
例:
A→予言者の可能性がある2人が両方ともXに白出し(人間判定)をしたので、Xは確白。
B→霊媒結果から狼と判明した者に決定票を入れていたため、Yはおそらく狼ではない。
C→Zは比較的リラックスして見えるため、狼ではない可能性が高い。
これらの判断材料は、A、B、Cの順に確実性が高い(=情報として信頼できる)といえる。
次に②である。
基本的に、ゲームが進めばプレイヤー各々の目線は異なることが多い。
(例:白を出された者、黒を出された者、完全グレーの者では同じ村人でも推理の目線が異なってくる)
そこで、自分に見えている情報を総合して真実と思われる推理を落とし、人間にそれを納得させる技術が必要となる。
この技術は以下の2要素から構成される。
A:①A、①B等の要素から確定情報を整理する能力
B:自分の推理を簡潔に言語化し、わかりやすく説明する能力
★人狼陣営
さて、次は人狼陣営の目線に立った場合を考える。
人狼がなすべき役割は、「村をミスリードし人間を処刑するよう仕向けること」である。
実は、この技術には上記②で挙げたA、Bが直結する。
人狼は、まず確定情報を素早く整理したうえで、
「自分の推理(に見せたミスリード)を簡潔に言語化し、わかりやすく説明(誘導)する」
ことになるわけだ。
私は、この技術こそが人狼ゲームの本質であり、プレイヤーの実力を測る一番のポイントだと考える。
対面人狼とチャット人狼を隔てる最大の要因は、②がゲームに与える影響である。
①ABの技術は、チャット対戦でも容易に習得できるだろう。
占い結果や霊媒結果、投票履歴からの推測は慣れによってカバーできる。
また、①Cの技術も対面とでは勝手が違うとはいえ、チャット対戦の経験によってある程度はカバー可能である。
一方、②の技術をチャット人狼のみで鍛えることは難しい。
そもそもチャット人狼は個々が思い思いにログを落とすため、まとまった文章で説得力ある発言をする必要性が薄い。
いわゆる多弁・強弁が場を支配し、寡黙なプレイヤーが吊り位置にされがちである。
対面人狼ではそうはいかない。
限られた議論時間の中で、個々の発言量がなるべく平等になるよう議論を進めることがセオリーであるから、強弁で場を支配する技術よりも、簡潔な弁論で場を説得するコミュニケーション能力が求められるのだ。
○結論
総じて、対面人狼においては、チャット人狼では習得できない人狼ゲームの本質的な技術が求められるといえるだろう。
人狼ゲーム元来の魅力である対人コミュニケーションは、対面で向き合っていなければ味わえない。
付言すれば、店舗での対面人狼は基本的に有料であり、経験者のGMが場を取り仕切るため、客質は基本的に保証されている。
オンライン対戦でありがちな、暴言や煽り等は店舗ではほとんどなく、マナーを守ってプレイする客が大多数だ。
では、チャット人狼が対面人狼よりも優れている点とは何か?
安い
(完)