珍道中なんて場合じゃない… | 旦那さんは天国に単身赴任中

旦那さんは天国に単身赴任中

ドライブ好きな旦那さんとワンコのお出かけや家族の日常を書いていたのですが…
2017年1月4日に旦那さんが肺がんであることがわかり、しかもステージ4。そして、たった9ヶ月で旅立ってしまいました。
時々、涙する事もあるけど、明るく楽しく元気に生きてます。

今日、無事に帰宅。

旅行の事を書こうと思ていたけど…

 

 

 

15時半頃、実家に到着。

家の前でタクシーを止めてもらいドアが開くと母は自分のリュックだけを持ち、サッサと家に入って行った。

弟が立っていたけど全く無反応で…

 

慌ててお土産と自分の荷物を持ちタクシーから降りると、弟が一つ荷物を持ってくれた。

 

そして弟が…

 

「実は昨日、急にドキドキして苦しくなったり何もしたくなくなっておかしいと思って、いつもの病院に内科だけど行って、安定剤をもらってきたんだ…」

 

弟は弱音を吐かない…

 

私と同じで人に甘えることができない、父も母も同じだ。

何でも自分でやらないと気がすまないし、人に迷惑をかけたくないから…

 

母は偏屈で人に頭を下げたくないからだけど…

 

 

そんな弟が私が帰ってくるのを待っていたかのように話したという事は、本当に参っているという事だ。

 

 

弟が「大丈夫、大丈夫」と言うのを鵜呑みにして、任せっきりにしていた。

 

本当にポンコツな姉だ。

 

 

考えてみれば弟は3月から4月の後半まで仕事が忙しく無休だった。

そんな中、包括支援センターに相談に行ったり、母を病院に連れて行ったりしてた。

 

今まで2度、帰れなくなった母を探しに行ったこともあった。

 

 

1階が工場で2階が自宅なので母が出かける時はだいたいわかるけど、機械の音で気づかないこともある。

なので「もし、気づかないうちに出て行って帰ってこなかったらどうしよう。仕事も納期があるのに探しに行かなくちゃいけない」と考えて、頭から離れなくなってしまったらしい。

 

 

 

私達が家に入ると…

 

旅行に行っていたことが無かったかのように、母は留守中に弟が母のために買っておいたジグソーパズルを見つけてテーブルに置いた。

 

私達が話していることは全く母の耳には届いていないようで、旅行中の話をしていても無反応。

 

そんな母を見つめる弟は、なんとも表現できない表情で悲しそうに見えた。

いつもなんだかんだ言っても笑顔があったけど、今日は無かった。

 

 

帰り際に弟に「悪いね…」と声をかけると「何が?」って顔で私を見たけど次の言葉が言えなかった。

 

「任せきりでごめんね」と言いたかったけど、言ったら泣いてしまいそうで言えなかった。

 

 

心配だけど、長男も私も明日は仕事なので実家をあとにした。

 

 

 

家に着いてから弟に「着いたよ」と電話をして、しばらく話した。

 

「明後日ケアマネージャーが来るから相談してみる」という声に力がない、本当に参ってるんだなと実感した。

 

長男が「ばあちゃんに家に来てもらってもいいよ」と言ってくれたこと、もし今後施設に入所する場合も私の家の近くに来れば私が様子を見に行くと伝えた。

 

選択肢は色々あるから一人で抱え込まないように話た。

 

とりあえず「今度の日曜日に行くから」と言うと、「姉ちゃんも大変だからいいよ」

こんな事態になっても弟は自分を後回しにする、出来たヤツだ。

 

 

もう弟に甘えてばかりはいられない。

 

できるだけ実家に行って、弟を少しでも楽にしてあげなきゃ。