まことちゃん、サバラ! | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

先日の新聞のまとめ読みの中に、阪神大震災の記事があった。
その中に、阪神大震災で被災した二人の文化人として紹介されていたのが、
五百旗頭真(いおきべ まこと)氏と小田実(おだまこと)氏の二人。
この二人ともに、先日来、書いている西宮・夙川あたりと関連した人物たちでもある。

先日書いた遠藤周作氏は私立・灘中学だったが、五百旗頭氏は、やっぱりこの地域で少年時代を過ごした典型のように私立・六甲中・高から京都大学に入学している。
神戸大学法学部教授時代に被災し、その後、防衛大学校長に就任、そして兵庫県立大学理事長になっている。アカデミック路線では超有名人でもある。
一方、小田実氏は、大阪で生まれ、東京大学に進み、フルブライトで渡米している。
その時の様子を書いたのが、愉快なタッチで書かれたエッセイ『何でも見てやろう』。
これはベストセラーとなり、一躍時の人となる。わが推薦図書でもある。
彼は、アカデミック路線へは進まずに、安保運動から「ベ平連」創設メンバーの一人として運動に携わる。小説家としての一面とテレビ出演などもしていた。
彼は、非常に背が高く猫背でもあり、遠くからでもひときわ目立つほどだった。
いつのころからか西宮・夙川地域に越してきていた。
(そのせいで西宮・芦屋のカフェで幾度となく彼を見かけた。ただ、表情はいつも暗く、わが感想は、ヘーゲルが歩いているように思えた。)
ヘーゲル

彼は、その自宅で被災しその当時、「自衛隊を災害救助隊に」などと訴えていた。
そんな小田氏の活動は、わが記憶の中にもある。
ただ、震災時の彼の発言として有名な話に、
小田氏が「なんでマスコミは、被災した俺のところにインタビューにこないんだ」と言うと、
それを聞きつけて社会運動家の吉本隆明氏が「指導者気取りの呆れたやつ」という話もあった。

先日来、まとめ読みした、かの新聞記事には、
「30年後の今、五百旗頭氏の活動の記録は数多く残されているのに小田実氏の活動に関しては、その記録が残されていない」と結んでいた。
たまたま同じような地域で被災した二人とも言える。
方や持ち上げられ、方や消し去られてしまっていると表現されているが、
その違いは、二人が、それぞれ作り上げた人間関係。
五百旗頭氏は、30年にわたって、震災と社会を研究し続け、ずっと発信し続けていたが、
小田氏は、震災後、急速にその存在感を喪失していった。
そんなところが、二人のこの結果を語っているように思える。

記録に残るには発信し続けること、そこが機微のような気がする。

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<了>