敷地利用権に触れる前に、大前提として、敷地はその所有者が利用するのが基本。しかしそれでは利用されない敷地ばかりになるし、土地を利用したくても資金が足りなくてできないという状況になる。そこで設定されたのが「敷地利用権」という権利。

 

【敷地利用権】

敷地を所有する所有権は、当然、敷地利用権でもある。他に民法上、借地権がある。

 ★所有権 → 共有

 ☆借地権(地上権、賃借権、使用借権) → 準共有

 

【マンションの敷地利用権】

専有部分を複数の区分所有者が共有する建物が立地する敷地は、建物がある以上、必ず何らかの契約事項により、その敷地に建物が建っているわけで、敷地の所有権を区分所有者で共有する敷地利用権が本来の形である。

しかし、敷地を区分所有者が借地権で利用している場合、直接共有しているわけではないので、この形を準共有という。

 

【敷地利用権の持分割合】

区分所有法上では定めはない。よって民法の「共有」の規定により、特約がない限り、平等となる。

これは規約で変更することはできない。

では特約とは、共有者全員の合意の約定である。規約変更は、特別決議(3/4以上の集会決議)が必要で、これでは足りないということ。共有者全員の合意であれば変えられるので、敷居は高いがやれないことはないという解釈。さらにこの部分の言い回しは、規約でなく特約であっても「別段の定めがない限り」のカテゴリーに入る。

 

【敷地権】

敷地利用権(所有権・地上権・賃借権)を登記すると、敷地権になる。逆に言えば、敷地権と言われたら、必ず登記されているという前提が成立する。

 

 

敷地利用権の分離処分禁止については、別ページで。