ソフトボールJDリーグ、大垣ミナモ×日立サンディーバを観戦に行きましたが、選手交代を巡り、ちょっと試合が止まりました。
ミナモのスタメンです
注目は7番のトーマス選手と、欄外の山口選手。
野球でDは指名打者の「DH」ですが、ソフトボールは「DP」指名選手です。
DPに対応する守備専門選手は「FP」フレックスプレーヤーですが、野球のDHが投手と対応するのに対し、ソフトボールはどの守備位置でもOK。なので、4番のショー選手は投手で4番の二刀流選手です(なぜか今日は「1」でなく「P」の表示が気になりました)。
三回、トーマス選手が安打を放ちます。一塁ランナーとなったトーマス選手に対し、代走が送られますが、FPの山口選手が入ります。ただこのときは、スコアボードに動きはなかったような…
直後四回の守備、山口選手がライトの守備に入ります。トーマス選手は再びDPに。
そして五回、再びトーマス選手が出塁すると、山口選手が代走に送られます。
今度は7番のスロットに山口選手の名前が入り、代走を示す「R」が表示されます。
そして六回からは
代走だった山口選手が、ライトのポジションに入りました。
そして問題は七回、打順が7番まで回ってきましたが、監督さんが代打にトーマス選手を送ろうとしましたが、認められませんでした。
時系列で追うと以下の通り
(スタート)7番「DP」トーマス FP「ライト」山口
(三回裏)トーマスの代走に山口
(四回表)トーマスが再びDPに。山口はFPとしてライトの守備に
(五回裏)「DP」トーマスに代わり、代走山口
(六回表)代走の山口がそのままライトの守備に入る
(七回裏)山口に代わり代打トーマス…が認められず
さて私の解釈ですが、監督さんには申し訳ないですが、審判団の判断を支持します。
三回の代走の段階で、DPとFPが入れ替わった…ではなく、FPがDPの打撃を兼ねた事になり、トーマス選手が下がった事になります。
そして四回に山口選手が兼務を解除してFPだけになり、DPにトーマス選手を入れたことで、トーマス選手はこの段階で「リエントリー」扱いとなります。
五回、再び打撃を行い出塁したトーマス選手に替えて、代走に山口選手を送ります。これでトーマス選手は2度目の交代でベンチに下がったため、以降は試合に出られません。
これは野球でいうと、DHの打順でピッチャーが代打で打席に入るようなものです。ミナモはこの段階で「DP解除」となり、以降は9人でプレーしなければなりません。
六回に山口選手が守備に就いた際は、代走から「そのまま入り」なので、先ほどのDPの兼務解除とは意味合いが異なります。
七回、打順が回ってきた山口選手に対し代打を送ろうとしましたが、トーマス選手はリエントリー後に下がっています。再々出場は認められない…という理屈かと思います。
門松監督が説明を求め、数分間試合が止まりましたが、恐らく、三回と四回に関しては「DPとFPの入れ替え」と解釈されていたのではないかと思います。日本協会の解説文にも「いつでもDPはFPの守備を兼ねることができ、FPはDPの打撃を兼ねることができる」とあります。ただし、「FPがDPの打撃を兼ね、攻撃・守備ともに行う場合には、DPはいったん試合から退いたことになる」とあります。今回のようなケースです。入れ替えとはいえ、先述のように、DPに代走を送ったことで、DPはベンチに下がったものとされ、FPとDPの兼務解除でDPにトーマス選手を戻した時にリエントリー扱いとなったと考えられます。
ソフトボールは、先発選手(DP,FPも含め)は一度試合から退いても再出場できる「リエントリー」が認められるため、野球に比べ戦術が積極的になり、幅も広いのですが、これが絡み合うと非常にややこしくなります。
そう考えると、野球のDH制なんて、さほどややこしくありませんわ。