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小学生のころに友達と山芋を掘りに行ったことが有りました。
山は僕たちの遊び場であり、そこの有る物は僕たちの管理下にあるものと思い込んでいました。
鍬を持って集落からあまり遠くない山の斜面に自然薯の葉を見つけて掘り始めました。
斜面を掘ったほうが効率よく掘り進められるだろうと考えたのです。
掘り出した大量の赤土は下に落としてやれば良いからです。
土は斜面の下に有る用水路に落ちていき水に溶けて流れて消えていきました。
芋の姿が見え始めた頃に集落の人が血相を変えてやってきて「あかんあかん此処は掘ったらあかん」と叱られました。
この用水路の水は当時飲み水にもなっていたのです。
血のように赤く染まった水を見てその人は水路をたどり僕たちを発見したのです。
死体でも発見するかと思ったら僕たちが一生懸命に働いていたのです。
それ以来もう自然薯を掘ろうとはしませんでした。
大人でも自然薯掘りは重労働であることを知っていましたから僕たち子供にはとても無理なことだと悟ったんです。
あれから60年くらい経つんだけれど今でもその場所には自然薯の葉が有るんですよね。
今回、畑に作った長芋を掘っていたら、hさんが「残しておいたら来年はもっと大きくなっとるよ」と。
そうなんだ、芋は年々大きくなっていくものなんだ。
一年で倍になるとすると、
あのときの自然薯の芋は×2×2・・・60年だよな。
もうとんでもない大きさになってるやんか。
地球全部芋と違う?
そんなには食えんなあ。