道路工事の為に迂回路になっている私の家の前の細い道を砂利を積んだダンプが走り回っている。

ダンプは車幅が広いのですれ違いも一苦労だ。

迂回路は上りが此方で下りは又別の道になっている。

私が出掛けるときは上りの迂回路を多くの車に逆行して走ることになる。

昨日有ったことだ。

そのダンプの運転手は私がこの道を通るのが間違っているかのように怒りわめき散らしているが運転席が高いのでなんと言っているかはっきりとは聞こえなかった。

もしかしてあいつはこの道が一方通行だと思い込んでいやしないか?

迂回路の案内をしているガードマンに聞いた。

「一方通行では無いですよね」

『はい』

「どうもそうは思っていないドライバーもいるみたいなんですが」

『地元の人に良く言われるんです」

「なら迂回路の案内板に一方通行では無いことを書いていただくと良いですね」

『監督さんにそう伝えておきます」

「頼みますよ」

それでも私の気はおさまらない。

悪い虫が出てきた。

ダンプを雇っていると思われる砂利屋に電話する。

「今此処の幹線道が工事中で通交止めなのを知っていますか?」

『知っている』

「なのに砂利の採取をやっているんですか?」

『迂回路があるでしょう』

「あんな狭い道にダンプを走らせるのは非常識とは考えないのですか?」

『違法ではないですが』

「非常識だと思わないのかと尋ねているのですが?」

『・・・』

「工事期間中砂利採取を中断することは考えなかったのですか?」

『契約納期が有るので』

「何の契約ですか?」

『県との砂利採取に関する契約です』

「その県が幹線道路の工事もやっているんですが、あなたは県に文句を言ってくれと私に言っているのですか?」

『そんなつもりは無いです』

「なら、ダンプの運転手に地元車優先であることを徹底してくれませんか、特に派手な装飾の緑のダンプの運転手には徹底的に、そう書いて有るんでしょ、県との契約書には」

『そうします』

まだ気がおさまらない。