区の役員会が終わって、雑談のときこんな話が出た。

私達の区は3つの組に分かれており、それぞれの集落が地理的に少し離れている。

私の組でない組の方が「あそこの木を切ってもらえないかなあ」と言う。

いつも通りがかる道のカーブにその木は有る。

何故かというと見通しが悪くて過去2回対向車とぶつかりそうになったらしい。

カーブの内側に立っている杉の大木が邪魔して見通しが悪いんだと言う。

「あそこは誰の山かいな?」と区長が聞く。

「確か大阪に引っ越していった人の山では?」

「連絡もつかないみたいだと聞いているが?」

様々な不確実情報が飛び交ったが、私は少し気になった。

というのもそのあたりに実家の山があるはずだ。

翌日確認してみると正に実家の山の杉の木だった。

杉皮を剥いで屋号まで書いてある。

でも私は今まで危険を感じたことなど無いけどなあ。

あの人余程車を飛ばすんじゃないかな。

立ち木だから切って欲しいなんて言うけど、家だったら壊してくれとは言わんやろが。

あっ、道路境界線を少々超えてるのか、それを指摘してきたんだなあの人は、困ったぞ。

しかし伐採するのは不可能に見えた。

近くに電柱が有り電線がその木を取り囲むように走っている。

どの方向に倒しても電線を切断する。

素人の私はもちろんプロでも引きたくなる状況だ。

万一この電線(高圧)を切ってしまったら此処より上流のすべてが停電する。

激ヤバ。

困ったなあ。

困った困った。