去年のことだが運転免許証の更新をした。

優良運転者である私は最寄りの警察署で安全講習を受けるだけでよい。

しかし新しい免許証は直ぐには発行してくれない。

指定された日に受け取りに行く必要がある。

その日になって一応確認のために貰った紙切れを見てみると。

講習時に聞いていた受取日と共に別の日付のスタンプも同じように押されている。

いつ行けば良いの?

警察署の窓口でそのことを指摘してあげた。

これではいつが受け取り日かわからないですよ。

窓口の女性は

「この紙に押されたスタンプの日付のどれかが受取日になります」

どれかとはいい加減すぎるが、間違ってはいない。

更に続けて

「講習の時に受取日を聞かなかったんですか?」

聞いている、だから今日来ているんだ。

私は覚えていたから良かったが皆がそうではないだろう。

忘れてしまった人はその紙切れを見直して出頭日を確認することだろう。

そこにいくつも日付が押されていたらどうするか?

警察署に電話して名前を言って受取日を確認するだろう。

高齢者が多いこの町では警察署に毎日問い合わせの電話が来るのではないか。

「無駄なことでしょうからこの紙切れを改めた方が良いですよ」と言うと、職員は木で鼻を括ったような態度でそれを認めないし誤りもしない。

石器時代から行われている伝統あるやり方に文句を言われる筋合いはないという態度だ。

お前らなあ、自分で自分の仕事増やして税金食いつぶしとるんやないか。

権力に楯突く人間はこの田舎町にはいないと思い込んでいるのか。

声を荒げて周囲を見回すと、その通りという表情ばかりだった。