悪口を言いたい訳ではないけれど事実なので知って欲しくて書きます。

以前業務上のつながりで大手物流会社の重量物運搬が専門の方と関係していました。

発電所のタービン発電機や変圧器、最近流行の風力発電所のブレードなど、超重量物・超長尺物などを運搬するのが専門の方でした。

私が業務で扱う昇降機の重量はせいぜい数トンのレベルですからその方にとっては鼻歌混じりの仕事だったでしょう。

私は「落としても壊れてなければいいよ」くらいの製品愛のかけらもない男でしたが、その方はまるで美術品でも扱うように毛布で包んで慎重に運んでくれるプロ意識を持った方でした。

悪口はその方のことではありませんよ。

重量物運搬には運ぶ物の重量以上の機材・資材が必要になるのです。

一般的な建築資材であるH鋼やL型鋼と呼ばれる鋼材なども必要です。

それらの鋼材は私達の先入観経験則として、見た目が同じなら同様の強度があるものと思い込みがちです。

船便で海外から到着する重量物には運送中の転倒事故防止のためにこれら鋼材が補強材として付属してきます。

○国からやってきた重量物に付いてきたH鋼を他で使ってしまったそうです。

そうしたらH鋼が折れて荷物を落としてしまった。

まさかの事態発生にその方は責任を取って命を絶とうと考えたそうですが、

再発防止として原因究明する中でその鋼材を分析してみて驚いた。

○国製のこの鋼材は寸法・重量・外見は他とまったく同じなのに不純物を大量に混ぜ込まれた粗悪品であったそうです。

そのような偽鋼材を作ってまで利益を増やそうとする○国製品に呆れて、以降絶対○国を信用しないことにしたそうです。

○国の悪口は以上。

さて、落下させてしまった物についてのお話に変わります。

依頼主に責任を取ろうにも一個人や会社が弁済するなど到底出来る代物ではなかったのです。

その事実を世間に公表することすら難しいような物でした。

依頼主は物をそのまま使ってしまうことにしました。

厳格な基準によって作られた物の歪みを何台ものジャッキを使って修正し審査を通そうと企みました。

そして国の審査にパスして収まるところに収まってしまったのです。

その物は現在司法のお墨付きで最長60年という長い寿命を与えられて稼働しています。

しかも止まっていた時間は寿命にカウントしないんだと言い出して、

まるでタイタニックを引き上げて航海に出るような傍若無人ぶりです。

以上はオフレコです。

 

ここから原発講座。

非常用炉心冷却装置Emergency Core Cooling System(ECCS)というのは何?

原子炉を止める(制御棒の一斉投入)と核分裂しなくなるので、もう熱は出ないと思う人もいますが、核分裂が 止まっても炉心から熱は出続けます。

制御棒を一斉挿入して、継続している核分裂の連鎖反応(臨界状態)を止めても、核分裂によってできた放射性物質の壊変によって高い熱が発生し(崩壊熱という)高温状態は長時間継続する。

このため、原子炉を緊急停止した後も炉心を冷却し続ける必要がある。

冷却しないと厄介なメルトダウンに至ります。

ECCSにはいろいろやり方が有りますが共通しているのは水をかけるということ。

福島も全電源喪失でデータ記録はありませんがECCSが作動していたと考えられています。

中性子照射による物質の脆化は、原子炉圧力容器における最も重要な事象のひとつです。

強靱で分厚く安心できる金属で出来ていると思われている圧力容器が、実は知らぬ間に違う物質に変わっていくという錬金術のようなことが起るのです。

これは普通の科学の守備範囲を逸脱した神の所為と捉えるべきです。

脆化は物質がもろく変形しにくくなる、ガラスに変わってしまった圧力容器をイメージしてみると良い。

その高温のガラスの圧力容器にECCSによって冷却水がかけられたらどうなるか。

しかもジャッキで修正され残留応力が残ってしまった張り詰めたような素性の悪い圧力容器だったとしたら。

今日はここまで。