よくよく見るとなんて“おかしな”風景だろうか。

いつもの生活拠点である山の中から自宅がある街に戻っている。

雑踏を歩き回っている大勢の人々は全員がマスク姿だ。

一昔前の、大気汚染に苦しむ中国北京の様子がまぶたに浮かんでくる。

この街も昔大気汚染に苦しんだがそれを克服していまは秋の大気は澄みきっている。

山の生活ではマスクをしている人などいない、人との接触機会が希薄だから。

今はキンモクセイの香りが漂って清々しい、稀にマスク姿をみかけると「風邪?」。

この街では外出する度にマスクを忘れてしまう私は”おかしな“人なのだろうか?

この“おかしな”風景は未だ当分の間続くのだろう。

冷たくなった空気に肌寒さを覚えていると、

「もう直ぐウィルスは消えて無くだろう」という、

希望的な予測は何処かに消えて無くなってしまった。