田舎では今、柿と蜜柑が鳥たちに食い放題となっている。

人口減少の田舎では、それは一向に構わない。

昔のように家の柿や蜜柑を楽しみに学校から帰ってくる子供はいない。

鳥が食べきれなかった果実は落ちて又、土壌の養分に帰るだけだ。

落花生と大豆とサツマイモ。

次に猿に狙われるとしたらこれだろう。

しかし私は楽観している。

トウモロコシの攻防戦で猿は私の畑の危険レベルを学習しただろう。

そこに実りの秋である。

わざわざ危険な畑を襲わなくても食料は周りに一杯ある。

とりわけ栗は猿の好物らしく、栗の木の廻りにはいがぐりの皮が散乱している。

栗は人が食べようとすると渋を取るのが厄介で、近頃は採らずに放置しがちだが猿は渋も気にならないようだ。

人が食べなくなったものを獣たちが食べてくれる。

そう考えると獣たちは人間の役に立っているんだな。

きっと。